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自殺未遂

自殺未遂。

私はこの言葉の意味を勘違いしていた。「自殺未遂をした人」という捉え方は、間違っていた。

その人は、「自分は自殺未遂をしたんじゃなくて、自殺したんだ、失敗してしまっただけで」

そう話してくれた。その話を聴く時まで私は、結果が自殺未遂に終わればそれは自殺ではないと考えていた。

ただ、本人の表情や声色に、勘違いするなという強い気持ちが表れていた。

それからは、その人に対して「一度自殺した、助かった人なんだ」と思うようになった。そう捉え直すことで感じる悲しみやつらさはあったものの、本人の口から語ってもらった経験は大きかった。

自分にとって大切な人が、ある日突然いなくなることは、自分が生きていくための軸を取り除かれるような気持ちになる。

それほど自分を支えてくれていた人なんだと気づく。何もしなかったことに何度も後悔した。

その人が今生きていてくれることに心から感謝している。

みなさまにとっての大切な人との時間も、より良いものとなりますように。

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