音楽のレシピ(その16) ― 小曲=世界 —

3~4歳頃のある日の昼下がり、家の下の小さな植え込みの中に隠れて一人遊んでいた。3m四方の地面に植えられたツバキの灌木の隙間で、アリの巣や捨てられたガチャガチャのカプセルなどを見つけ、あたかも火星探検のような気持でありふれたモノを発見しながら這いずり回っていたように追想する。

小さなモノの中に世界の全てを見出しているような感覚。それを現出させることが、オレにとって、作曲、そして、編曲をすることの意義なんだと思う。
(作曲と編曲、って定義分けするのは難しいけど、花を咲かせる園芸が作曲で、咲いた花を綺麗に陳列する華道が編曲、みたいな? 編曲はアレンジメント、華道はフラワー・アレンジメントっていうしね(笑))

貼り付けた曲は、そんな視座で作曲された(?)ストラヴィンスキーのピアノ曲。
以前、ポール・マッカートニーの "Wonderful Christmas Time" についてつぶやいたことと同じことだが、ありふれた身近なモノ (この場合はドレミファソ) からオリジナルな新鮮なモノを創り出すことの出来る人は素晴らしい。『サウイフモノニ ワタシハナリタイ』

” 粟 一 粒 秋 三 界 を 蔵 し け り “ (寺田寅彦)

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