音楽のレシピ(その15) ー対位法ー

我が家のテレビとオーディオは、何故か右チャンネルがイカれていて音が出ないことがままある。
そして、the band apart の音源は、二本のギターが左右に分離して収録されているので、和音をかきならすパートの音が聴こえないまま聞いてしまうこともときにはある。
だけど、荒井さんの歌と、川崎さんの単旋律ギターフレーズ、原さんのベースラインの、三つの単旋律パートだけでも全く不足感を感じることなく聴けることが多いのは、日本のロックバンドとしては稀有な存在だし、すごくいいなと思う。

クラシカル、アカデミックな美しさというよりも、「あいつのかっこいいメロディにどんなフレーズで対抗しようか」という、仮面ライダーごっこのようなファンキーな楽しさ。


オレが最初にその快楽を知った曲は、Joe Jackson の "Cancer" という曲だったのだが、あえてここでは 紹介せず、Eric Satie の上掲曲を聴いて頂きたいと思う。

ある夜、この曲を一緒に聴いていた妻が落涙したのを、美しい記憶として心に留めている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?