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【読書記録】グリコ森永事件に関係する2冊

2冊セットで読むことをオススメ

実は私、3億円事件とグリコ森永事件について大変に関心がありまして、これまでも両事件を扱った書籍や映像作品等にはけっこう触れてきています。

今回取り上げたいのは、サムネ画像にもなっている

罪の声(塩田武士 著)講談社

キツネ目 グリコ森永事件全真相(岩瀬達哉 著)講談社

の2冊です。

罪の声は、小栗旬さんと星野源さんの出演で映画化もされましたので知っている方も多いかもしれませんが、グリコ森永事件をモデルにしたフィクションで、作中ではグリコはギンガ、森永は萬堂という社名で登場し、事件名も「ギンガ萬堂事件」とされています。

ただし、作中に出てくる事件の発生日時や場所、犯人から届く脅迫状や挑戦状の内容等は史実に基づいた情報が使われています。そのため、グリコ森永事件に関する知識がなくてもまったくのフィクションとして楽しめますが、事前知識があれば更に楽しむことができるのではないかと思います。

なので、罪の声を読む前に、グリコ森永事件に関するノンフィクションを何でもいいので一冊読むことをお勧めしたいのですが、その一冊として良いと思うのが、上記で挙げたキツネ目 グリコ森永事件全真相です。

2021年3月に出版されたばかりの新しい本で、過去に出された本と比べて新しい事実はさすがに多くは書かれていないものの、時系列を整理したり事件の背景を理解したりするうえでとても分かりやすいと思います。

実際私も、キツネ目 グリコ森永事件全真相を読み終えてから、罪の声を読みました。楽しめました。

事件の背景やちょっとしたサイドエピソードも充実

まずキツネ目 グリコ森永事件全真相ですが、当時の捜査関係者等に丹念に取材して裏取りを積み重ねたうえで全体を構成しています。基本的に時系列で書かれているため、情報の整理がしやすいです。巻末には月次の年表もついており、読み終わった後に年表を眺めるのも一興です。

事件の本筋に関わった様々な人の「その時」や「その後」について書かれた記述もあり、多くの人の人生が連綿と連なっていることを感じることもできます。また、事件によって人生を狂われた人もいるんだということを噛みしめる瞬間もありました。

書籍のタイトルになっているキツネ目は、犯人グループの中で唯一似顔絵が公開された通称「キツネ目の男」から来ているのは言うまでもないですが、表紙にその似顔絵が載っているのでちょっと怖いです(笑)。

久しぶりにワクワクした小説。しかし...

キツネ目 グリコ森永事件全真相を読み終わって直後に、罪の声を読み始めました。最近小説を読んでいなかったうえ、序盤に(私の大好きな)イギリスの話が出てくるので、すっかりテンションが上がってしまいました。

物語が進むにつれてどんどん謎と謎の点が線になり線が面になっていき、それが面白くて引き込まれました。珍しく時間を忘れて本を読みました。

物語の後半のほうに、伏線のように見えるけれどどこで回収されたのか分からない記述や、これはどういうことなんだろう?という記述がいくつかありました。それらについてはまだ自分のなかで解釈を落とし込めておらず、落ち着かない気持ちです(笑)。

それでも、著者である塩田さんがこんなことを描きたかったと、本の末尾に書いていた内容はきちんと書かれていたので、良い本だったのだと思います。

本は買ったら早めに読みましょう

2021年4月頃に2冊同時に購入していたのですが、夏になってようやく手を付けて読むことができましたので、読書記録としてこの記事を残しておきたいと思います。

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