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New体育論-Management Perspective-

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小学校で体育を指導しながら、スポーツ産業のマネジメントを学んだ私が、スポーツが発展するためにあるべき体育の姿を様々な切り口から解説するシリーズ。これまでにはなかった「新しい体育の…
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2022年7月の記事一覧

「体育嫌い」の理解に対する根本的な勘違い

日本の体育界のおいて「体育が嫌いな子」は常に関心の的となっている。昨年度まで重点目標として施行されてきた「第2期スポーツ基本計画」の中でも、「体育を嫌い・やや嫌いという生徒を半減(16.4%→8%)」という数値目標とともに示されてきた。それに伴い、現場の体育指導者も「誰が体育を嫌っているのか?」「どうすれば好きになってもらえるか?」など、必死に模索を続けてこられたと思う。 しかし、私が現場で見てきた感覚としては、体育嫌いの生産に歯止めがかかっていないが正直な感想だ。なぜなら

体育授業での「自由」のつくり方 ~中動態の視点~

だれでも「自由」という言葉を聞くと嬉しい気持ちになる。「自由」には開放的なイメージが強く、自分の(あるいは集団の)意のままに行動することができる状態を思い浮かべるだろう。特に子供にとって「自由」は最高の”ご褒美”であり、最も生き生きとする瞬間でもある。これは裏を返せば、子供たちは常に「縛られている」状態であり、何かを「強制されている」状態ともいえる。 一方、授業において「規律」の重要性を認識していない教師はいない。殊に体育という広い空間で開放的に行う授業においては、より”整