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New体育論-Management Perspective-

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小学校で体育を指導しながら、スポーツ産業のマネジメントを学んだ私が、スポーツが発展するためにあるべき体育の姿を様々な切り口から解説するシリーズ。これまでにはなかった「新しい体育の…
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2021年8月の記事一覧

『「わざと負けて」企画』が語る勝利の意味

スポーツの文脈において「勝利」は常に議論のタネとなっている。オリンピックに出場するアスリートや日本一を目指す学生など、スポーツをする選手がみな勝利を目指すことは言うまでもない。その一方で、「勝利至上主義」といった言葉で、過剰な競争やそれに向けた過酷なトレーニングなどスポーツの競争的な側面に批判的な声もある。 「スポーツで勝利を目指すことはいけないのか?」 これに対して「いけない」と答える人はおそらくいないだろう。しかし、「勝利以上に大切なことがある」と答える人もかなりの数

主役を「消費者」にさせない日本の教育

東京オリンピックが幕を閉じた。感染症の影響が強く残る中、無観客という形での開催だったが、アスリートたちの躍動に世界中が歓喜と感動に包まれたことは紛れもない事実だったことのように思う。特に注目度が高かったのが開閉会式である。すべての選手が参加したわけではないが、華やかな雰囲気の中で各国の選手たちが笑顔で入場したり、式を満喫したりする姿が非常に印象的だった。 一方で、式の途中で芝生の上に寝そべったり、途中退場したりする選手もかなりの数見受けられ、主役であるはずの選手のそのような