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New体育論-Management Perspective-

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小学校で体育を指導しながら、スポーツ産業のマネジメントを学んだ私が、スポーツが発展するためにあるべき体育の姿を様々な切り口から解説するシリーズ。これまでにはなかった「新しい体育の…
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2021年5月の記事一覧

表現運動のゴールとして「発表会」は必要なのか?

「表現運動」や「ダンス」の単元は、多くの体育指導者の頭を悩ませるものである。何を指導すべきかわからない、どのように指導すべきかわからない、そもそも自分が踊れない…など、現場が抱える問題も広く、深い。 したがって、これまでは運動会の表現種目の練習をそれに充てて「しのいで」きた。学年や学団など大勢の子供が音に合わせて一斉に踊るその様は、たしかに「映える」ものだし、観る者には大きな感動を与える。しかし、当の子供たちには一体どのような体験が残っているのだろうか?練習を重ね、最後に「

運動会の「係児童」は全員にさせるべきではない

運動会では、必ずといっていいほど「係児童」が存在する。応援団をはじめ、用具係、1~3着を誘導する係(決勝係などとよばれる)、放送係など多様にある。多くの学校は、運動会を「子供たちがつくり上げるもの」と位置付けているため、1人でも多くの子供に何らかの「係」を割り当てようとする。しかし、この形式的な「係」による役割委譲は非常に危険である。本稿では、①係を担う子供の経験価値、②運動会全体のクオリティーの2つの観点から、運動会における係児童の意義と適切な運用について述べていく。 特