上海で民泊って儲かるの? 実際の収支とノウハウ完全公開‼
昨年から上海でシェアハウスと民泊事業を行っており、現在はコロナの影響で苦戦していますが、昨年のポートフォリオを見てみると、上海での民泊運営はやり方さえ間違わなければ十分収益性の高い運用ができると感じています。
中国の中でもダントツで外国人滞在者が多い上海で実際に民泊を開始するにあたっての課題や売上についてまとめてみました。
日本人で上海民泊を積極的に行っている人はあまりいないので上海民泊は案外ねらい目だと思いますね。
ただし中国という環境の違いや、宿泊ニーズなどの違いを理解しないとうまくいかないというのも感じており、今回はその辺のノウハウも合わせてまとめました。
ネットを見ても他の上海民泊の詳細を書いている記事は少ないので、この記事を見て上海での民泊に興味持っていただければ嬉しいです!
ちょっと長いですが気合入れて完全版でお届けします!
この記事では以下のことが理解できます
・上海の民泊事情
・上海で民泊する際のポイント
・上海民泊の収益大公開
実際上海民泊がどれくらい儲かっているかを運用している部屋の情報を開示しながらお伝えしたいと思います。
Twitter @muraba1 でも上海情報随時更新しています!
中国の民泊は1.1兆円の巨大産業
まず上海で民泊をやろうと思い中国の民泊について調査をしました。
【中国の民泊市場概要】
中国の年間ホテル売上:3791億元(5.7兆円)
うち民泊の売上:760億元(1.1兆円)約19%
出典:images.mofcom.gov.cn/fms/201803/2018031210041564....pdf
1.1兆円の民泊市場とあってもイマイチピンとこなかったので日本の状況を調べてみました。
日本のホテル売上は2,640億円程度というデータが出てきました。
東京商工リサーチに登録されている約1600社のホテル業の売上合計が2,640億円で、中国の規模と比較するとその規模はやはり中国が圧倒的の大きいと分かります。
【ホテル業の売上規模】
日本:2640億円
中国:5.7兆円
約22倍の市場規模が中国にはあるようです。
特に注目すべきは中国のホテル売上に占める民泊の割合の高さ(約19%)です。
感覚としても上海の民泊は日本より多様化しており、大きな市場に育っていると感じています。
上海の民泊は日本以上の激戦エリアだった
市場も大きい上海の民泊に挑戦したい気持ちが高まってきたので、中国ではどんな民泊プラットフォームがあるのかも調べました。
日本だと民泊=Airbnbを指すことが多いと思いますが、中国は全く違いました。
下図は中国の民泊予約プラットフォームのシェアです
https://www.qianzhan.com/analyst/detail/220/190710-ae2c82db.html
1位:携程(Ctrip)27.4% OTA
2位:去哪儿 25.1% OTA
3位:美団 21.9% スーパーAPP
となり
民泊プラットフォームのAirbnb は 9.4%です。
つまり民泊を予約する際にAirbnbサイトから予約するのではなく、中華系OTAから予約が入ることが多いのです。
これは実際に運営してみて分かりましたが、外国人はAirbnb経由での予約、中国人は中華系OTA経由での予約という傾向がはっきりと見てとれます。
日本人で上海民泊を成功させるポイントは中華系OTA攻略この辺りにありそうです。
また長期貸し出しの場合は中華系不動産仲介プラットフォーム(58同城等)を攻略する必要がありますので、中国の不動産事情に詳しくないと難しそうです。
中国・上海の不動産を借りて民泊をやる方法
ここからは実際に物件を借りて民泊を開始するまでの流れをお伝えします
オープンまでに大きく分けると
1.物件調査
2.物件契約
3.内装・家具搬入
4.物件掲載
という流れが必要となります。
この辺りは日本と同じですね。
【1.物件調査】
中国国内の不動産サイト経由で調べるとたくさん情報が出てきますのでそこから選びます。
実際に一番時間がかかったのも物件探しの部分です。
何十件も見ましたがなかなか家賃相場と立地、部屋の状態が合うものがありませんでした。
あと良いなと思う物件はいわゆる「釣り物件」と言われる問合せさせて、他の物件に誘導させるもので、明らかに良いなと思える物件はほぼ釣りだと思いますので見極めが難しいです。
上海の場合民泊激戦区と言われるのは
黄浦区・静安区・徐汇区と言われる3エリアです。
上海の有名な観光地(豫園、新天地、静安寺、外灘等)が集まっているエリアで当然物価も高いです。
私の物件は普陀区という上記の3エリアではないので家賃相場も30%程度安くできました。
【2.物件契約】
ようやく気に入った物件を見つけたら物件契約となります。
とりあえず良い物件は他の人に取られる前に予約金を入れてキープしておきます。20万円の物件なら先に10万円を予約金として入れて1週間程度契約まで待ってもらうイメージですね。
これをしないと問答無用に他の人に取られてしまいますので、予約金は物件探しの段階で必ず準備しておいた方がいいでしょう。
契約は外国人でもできますが、法人契約のみの物件や、中国での引き落とし用銀行口座等は必要となります。
仲介業者への仲介料は家賃半月~1か月分程度です。
【3.内装・家具搬入】
中国で物件を借りる時に多いパターンが、家具付きの部屋が多いです。
これは民泊を行うにあたり大きな障害になりえる点で、賃貸物件の家具は基本的にダサくて安いものが多く使い物にならないものが多いです。
壁紙の貼り直しや電気配線等も行う必要がありますのでかなり大がかりな作業になります。
私の場合はそういった手間があることが分かったので、最初から未内装、家具無し物件を選びました。こうすることで家具の廃棄コストを削減し、民泊に合った内装を自分で手配することができます。
設計・内装・電気配線については
①全て設計事務所に依頼する
➁図面のみ書いてもらい後は自分で手配する
③全ての作業を自分で行う
等があると思います。
この部分が初期費用に大きく関わってきますので慎重に選択する必要があるでしょう。
実際に150㎡4LDK の部屋の見積もり作業等を取ってみた所感ですが
①(地場系設計会社)が100とすると
➁は60くらい、③だと20くらいの金額イメージですね。
実際に購入した内装材料、家具、職人費用、その他まとめると以下のようになり、日本円で170万円程度でした。
購入品は基本タオバオや天猫というECサイトで購入するのが良いですね。
種類も多く、値引き交渉もできますし、ほぼ注文翌日には届きます。
職人も内装職人マッチングアプリを駆使して良い人を探せます。
私は初期費用を最低限に抑えるために③の全て自分で行うというのを選びましたが、時間と労力と中国語力等手間もかかりました。
【4.物件掲載】
部屋が完成したら物件掲載です。
集客を増やすために複数のチャネルで掲載するようにしましょう。
中国の民泊物件の掲載は以下の展開がおすすめです
①民泊プラットフォーム
Airbnbはもちろん、中国系民泊プラットフォーム(途家、小猪短租,蚂蚁短租等)にも掲載しましょう。
➁不動産サイト
不動産サイトにも民泊カテゴリーがありますので掲載しましょう。有名なところは58同城、搜房网,赶集网,安居客等です。
掲載にあたり中国人の身分証明書が必要なケースが多いですのでパートナーや依頼先を探しておきましょう。
③中国系OTA
中国系OTA(携程、去哪儿)等に掲載すると集客力が一気に上がります。ただOTA掲載はOTAとの掲載契約を行わないといけないので個人で借りた物件は対応不可能です。
④日本人向けフリーペーパー等
主要都市であれば、ジャピオン、Whereverといった日本語フリーペーパーがあり、その無料掲載ページがありますのでそこにも載せておくと良いでしょう。
⑤中国系SNS(微博・微信)
これも結構頑張れば強い集客ツールになります。実際に長期滞在者の数名はSNS経由で入居頂いています。
このように日本のようにAirbnb一本で行くとかなり厳しいので複数の集客ルートを確保するのが中国・上海で民泊を行うポイントです。
共同創業のチャエンさんが創業迄のストーリーを詳しくまとめて頂いたので興味ある人はこちらも是非ご覧ください!
中国・上海の民泊収支イメージ
では具体的な売上・利益のイメージをお伝えします。
【売上】
売上は
客室単価 × 販売日数 × 稼働率
でだすことができます。
運営している部屋の場合
単価は1室3000~5000円で変動制(平均4,000円)を4室
販売日数は30日
稼働率は85%
となりますので
4000円 × 4室 × 30日 × 0.85 = 408,000円/月
が毎月の売上イメージですね。
繁忙期と閑散期がありますが、コロナ前は稼働率平均85%で推移していましたので結構高い方だと思います。
【支出】
支出は家賃、清掃料金、光熱費、プラットフォームへの手数料が主です。
運営物件の場合は
家賃:約21万円(4室)
清掃費:800円×2時間×25.5日(85%の稼働率)=約4万円
光熱費:約1万円
プラットフォーム手数料(3%):約1万円
となり月の支出は27万円となります。
【利益】
【売上】41万円 - 【支出】27万円 = 【利益】14万円
となります。初期費用として170万円かかっていますので約12か月で回収できる計算です。
稼働率は85%とかなり高いですが、1年目は民泊プラットフォームに掲載したばかりということで意図的に単価を下げて稼働率を上げています。2年目以降は単価を10~15%程度(平均4600円)上げても80%以上の稼働率を維持できるという計算ですので、
2年目以降は
4600円 × 4室 × 30日 × 0.8 = 441,600円/月
と改善予定です。
まとめ
上海で民泊運営して約1年経ちますが市場の可能性を感じています。
もし中国で挑戦したい方や上海民泊運営に興味がある方いらっしゃったら是非挑戦してみてください!
弊社でノウハウシェアすることも可能ですのでお気軽にご連絡頂ければと思いますのでTwitter等からDM頂ければ対応します!
実際に使っている民泊データの詳細が必要な方はTwitterをRTの上DMでメッセージ頂ければデータお渡し致します!
お問合せ・詳細データ希望はこちらから!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?