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6+3+3地歴学習❹小学校での地歴学習

小中高の地歴学習の組み立て方

6+3+3地歴学習プロジェクトは、小学校の6年間、中学校の3年間、高等学校の3年間をつなげて地歴を学ぶプロジェクトです。ここでは『6+3+3地歴学習❸バラバラに知る知識を通史に集約していこう』の”小学生に起こること”で示した成長過程で、公教育での遠足・校外学習・修学旅行の中に無理なく地歴学習を取り入れるポイントを具体的に示していきます。

6+3+3地歴学習の具体的な組み立て方

地歴学習は自然で豊かな学習効果を生む

地歴学習は単なる郷土の歴史学習という範疇を超えて、成長期にさまざまな豊かな感覚をもたらします。生じる心理的な効果や、指導の際の注意点を具体的に記します。

❶地元の史跡を歩こう

小学校での地歴学習は身近な史跡を訪ねることから始めます。地元でいつも不思議に思っている場所、看板のある場所、保護者と一緒に行ったことがある印象的な場所、街道の名前、出発点や終着点、駅や鉄道などを、地歴を交えて遠足や校外学習で探検してみてください。

見ている景色がなぜ今あるのか、過去にも同じ場所に住んでいた人が居たという実感を得ることがスタートになります。看板が読みにくい場合には先生が代読してあげて、看板を読むことを習慣づける方向に導いてあげてください。

不思議を放っておかない、曖昧にしない考え方を身につける
土地は自分たちだけのものではないという公(おおやけ)の意識を育てる

地歴学習の効果

❷山や川を観てみよう

小学校の遠足では、近くの山への登山が組み込まれていると思います。その時に山登りだけでなく、まつわる史実を包括的にとらえるようにします。わが国においては山頂に神仏を勧請し山を開き精神的な拠り所としてきたケースが多いので、山に寺社仏閣がある場合にはその由来を確認してみましょう。また、戦国期には山城となっている場合もありますので、気をつけてみてください。

地域の川の変遷や、その川の水源や河口がどうなっているかを知りましょう。流域で他地域と生活圏が繋がっていることが把握できます。

自分を取りまく自然のポイントを把握し、安心に暮らすための要素を考える

地歴学習の効果

❸災害の史実を知ろう

早い時期から、地震や川の氾濫や山崩れや飢饉や戦災の地歴について学ぶ時間があると良いと思います。東日本大震災においても、小学生の遠足で『末の松山』に行き、貞観地震(869年)の津波がここまで来なかったと教わったことが記憶に残っていて、同じ位の高さまで逃げて災害に巻き込まれなかったという実例もあります。

文化的な後世の意味づけより、史実の災害の伝承に着目しよう

地歴学習の注意点

『波切不動尊』など災害の際境界に置かれたモニュメントや、飢饉の時の倉跡や、大戦の碑がある場所などに実際行ってみて、災害にどう対応してきたか、避難場所はどこになるかなど確認し合ってみてください。災害は、天災・飢饉・流行り病・合戦と、一連になって次々と起こっている場合もあります。地名となって残っている場合もあります。

国土地理院のサイトでは、各地域の自然災害伝承碑の場所を調べることができます。国土地理院『自然災害伝承碑』

❹戦乱を考えよう

合戦跡やその通り道などがあるは場合、それを負の遺産と隠ぺいせず、史実をはっきり確認しましょう。いつの時代に何があったのか、犠牲者はお互いどのくらいだったのか等を知ることで、今の時代が犠牲によって成り立ってるという側面を学習します。

平和学習は特別な都市に行く機会が設けられなくても、近い場所から始めることができます。

舞台が郷土であっても、偏らない判断をしよう

地歴学習の注意点

❺宗教史をつかもう

時事的な話になりますが、宗教の教理教学を悪用した社会問題は子供だからと待ってはくれません。小学校から宗教教育を実施して歴史的に俯瞰した捉え方ができるようにしてほしいと、必要性が言われ始めています。

地歴教育では、寺社で由来を読んだり宗教的語録に触れることも多いので、機会をとらえて宗教が人間の営みや合戦・天災、社会システムの変遷などと連動して推移してきたものだということを学んでみてください。

『京都遠足』より約3500年間の人の生き方・考え方の流れ
参考:『京都遠足』より約3500年間の人の生き方・考え方の流れ

歴史都市探訪や修学旅行で

高学年になって歴史都市探訪や修学旅行を実施の際には、郷土とのつながりを見つけてコースに組み込むことを勧めています。目的地が”特別な都市”ではなく地元や”自分”とつながったものと認識できます。

事後学習で経験をアウトプットすると同時に、他のグループやクラスメイトの観点を知ることも良い経験となります。

歴史都市に自分や郷土とのつながり見つける
自分にもルーツがあるように人にもルーツがあることを感じる

地歴学習の効果

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ホームページで6+3+3地歴学習プロジェクトの概要について図版を多用して掲載しています。こちらもご覧下さい。

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