見出し画像

よい森林とは?


撮影2023年3月 藤枝市内

 2023年年6月2日は台風に刺激された梅雨前線により、静岡県内は線状降水帯が発生するなど大雨の1日になった。上の写真は今年の3月に川の沿岸で崩れた箇所に土嚢が積まれた状態を撮影した。この時は何か工事の準備と思っていたが、違ったようだ。

2023年6月3日撮影

次の写真が、同じ場所で撮影した今日の状況だ。土砂が崩れながれたのか片側の土嚢は崩れているのがわかる。ちょうど撮影中に、山主の方とお話しできた。「こんなことやったってダメなんだよ。」崩れた状態をなんとかしようと行政にも相談しているが、その結果がこの土嚢を置いただけであった。
しかし、山の方に目を向けるとわかるが、比較的低い木しか育っていない。良い森林は高木層、亜高木層、低木層、草とミルフィーユのように多層になっている。それは土表面だけでなく土に中の根の張り方が違い、より強固になっている。
しかし、人工林を皆伐したり、このように崩れてしまった後は、なかなか良い森には戻ることができないようだ。その理由の一つとして鹿などによる食害があげられる、たとえ種子が運ばれて芽生えても全て鹿に食べれれてしまう。そうなれば鹿の嫌いな植物、シロダモやサンショウの木などばかりになる。種類か少なければ地面の根は強固にはなれない。
それだけではない、この周辺には放置された竹林がある。放置された竹林などは雨が降ると地面に雨が吸収されず一気に川に流れる。だから一気に増水すると農家の方から聞いたことがある。
確かに温暖化により気候変動は起きている。台風は以前とは違い勢力が強いまま接近したり、線状降水帯も増え、雨の降り方も変わってきている。そに度に、河川が氾濫したり冠水がおきている。良い森林が少なくなっていることも要因の一つではないだろうか。
そして、最近になって気になるニュースがあった。それは花粉症の症状があるものとしてはありがたいお話でもあるが、やはり記事を読む限りでは気になる点がある。それは次に一文である。
「スギの人工林の伐採規模を現在の年間およそ5万ヘクタールからおよそ7万ヘクタールへと拡大し、人工林の面積を10年後に2割程度減らす▼花粉の飛びにくい苗木の生産を拡大し、10年後に苗木全体の9割以上とすることなどを盛り込んだ」

確かに、最近は皆伐したままにしたりする山もあるから、植林していくことは良いことかもしれないが、花粉の飛ばない苗木の生産とか、何だか人間中心主義のようにも思える。ブリューノ•ラトゥールはterrestrialについて次のように書いている。「地球が私たちにために用意してくれたものを全て調査し目録を作る。」
これはその地域にあった植物を調べて、災害を防ぐため、そして良い森林に戻すための活動もその一つではないかと思う。
是非、良い自然の森林に戻してもらうことを期待したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?