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ドラマ「鹿男あをによし」

2008年フジテレビ制作のドラマ「鹿男あをによし」をDVDで見た。万城目学が直木賞を受賞したことに触発されて、購入していたDVDを引っ張り出してきた。原作本も手元にあるのだが、ずっと以前からドラマをもう一度見ようと思っていたので、原作ではなくドラマの方にした。

見返してみると、主要キャストだけでも玉木宏、綾瀬はるか、多部未華子、佐々木蔵之介、児玉清、とすごいのに、それを支える人たちにもキムラ緑子、酒井敏也、篠井英介、田山涼成が並ぶ。また出番が少ないが、大塚寧々、夏八木勲、戸次重幸、白井晃、手塚とおる、石井正則も参加しているし、声の出演も中井貴一、山寺宏、戸田恵子と豪華だ。

DVDが三角縁神獣鏡のようになっている。

このドラマの良いところは原作にはない部分をうまく補ってドラマ化しているところ。主人公のキャラクターをより鮮明にするために、小さなエピソードをいくつも補っている。また、主人公の周囲に原作にはいないキャラクターを補ってストーリーを円滑に動かしている。もっとも大きな違いは原作では「藤原君」が男性だが、ドラマでは女性に変えて綾瀬はるかに演じさせている。これは綾瀬はるかの魅力とも相まってドラマの成功につながっていると思う

また、ストーリー展開のテンポが良く、この先どうなるのかとついつい引き込まれる。劇中音楽もその場の雰囲気を規定する役割としてうまく機能しているし、オープニング、エンディングの曲も好きだ。ただ今見返してみると、昔の画質なので、それに慣れるまでしばらくかかった。また当時はあまり気にならなかったCGは今のレベルとはかなり違う。今作れば、もっと自然なものになるだろう。

15年近く前のドラマなので、出てくるスマホは折りたたみ携帯だし、テレビはブラウン管テレビで時代を感じる。でも何より俳優陣が若い。綾瀬はるかは幼さが残るし、多部未華子はまだ制服が似合う高校生だ。就中佐々木蔵之介が若くて惚れ惚れするほど格好いい。

何年かぶりにこのドラマを一気に見返して、原作の面白さと、ドラマ化の完成度を存分に味わい尽くした気がする。

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