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ショー・マスト・ゴー・オン 配信

三谷幸喜作・演出「ショー・マスト・ゴー・オン」をネットの配信で観た。怪我や体調不良、コロナなどで次々と役者が出演できなくなり、公演をキャンセルせざるを得なくなり、その穴埋めとしてなのか、ネット配信をしていたようだ。

主演鈴木京香の代役

この配信は主演の鈴木京香がコロナに感染して休養、その役を三谷幸喜が演じるというバージョン。今回の公演、小林隆、浅野和之、シルビア・グラブらが出演できないときに三谷幸喜が代役として出演していた流れから、ついには主演の代役まで!ということになったもようだ。

まさに「舞台は続けなければならない」というタイトルを地でいく切り抜け方。普通の演出家ではなく、テレビや舞台に出演経験のある三谷幸喜だからこそできる切り抜け方だろうと思う。

コロナ禍の舞台公演

以前コロナ禍で行われた三谷幸喜の舞台「大地」を大阪で観た。「ソーシャル・ディスタンス・バージョン」と謳っていたこの作品の客席は半分。チケットが1万円とすれば、1000席の公演の入場を半分に制限すれば500万円の損失だ。それが、出演者の不調で公演が1回キャンセルになれば1000万円。ということで、何があっても「ショー・マスト・ゴー・オン」なのだ。

大地 ソーシャル・ディスタンス・バージョン

役者三谷幸喜

役者としての三谷幸喜は正直あまり上手くはなかった。元々女性の設定の役をやっているのだから、なおさら難しい。セリフも作者とはいえ、きちんと覚えた上で、きちんとしたタイミングで所作も交えて行うには稽古の時間もなかっただろう。その辺は仕方がないと思う。ただ、脇役ではなく主演の代役だったため、見終わって「鈴木京香だったら、どんな作品だったのだろう」と思わずにはいられなかった。

「ラヂオの時間」彷彿とさせるストーリー

舞台の現場で次々と起こるトラブル。酒に酔っておぼつかない主演男優、間違って舞台に持って行った小道具の取り替え、最終盤で必要な道具の破損、音響の故障など、ありとあらゆるトラブルを乗り越え、舞台を成立させるために舞台監督、演者、スタッフは共に奮闘する。成功と言えるのかどうかはわからないが、終演後には達成感や満足感が残り、次の公演へ向けて進んで行くのであった。

この作品を見て、三谷幸喜の映画「ラヂオの時間」を思い出す。主演は同じく鈴木京香。「ショー・マスト・ゴー・オン」と同様なシチュエーション・コメディ、三谷幸喜の得意な「シット・コム」だ。舞台配信を見て、生放送のラジオドラマの現場で起こる無理難題を凌いでいくというこの映画の原型が「ショー・マスト・ゴー・オン」にあったのだと思い至ったのだった。

映画 ラヂオの時間


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