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変わり続ける日々が、守ってくれる

もうそろそろ、春の訪れ。

当社にも新入社員がやってくる。
新入社員研修は私の仕事なのだが、
今年度(2021年度)新入社員研修で、
感心したことがあった。

報告連絡相談について話をしていた。
『こまめな報連相は、周りに安心感を与える』
不安が人から正常心を奪ってしまう話の中で、

「新型コロナで今までとは違う中、
皆さん去年は不安だったと思うんですよ」
そう言ったら、新入社員3名
『ん?』という顔をした。

明らかに、響いていない顔だった。

「え!?不安じゃなかった?」
「四月は休校だったよね?」
「学校行事も今まで通りは出来なかったよね?」

尋ねたら、三人が三人口にした。
『不安はなかった』と。

そんな馬鹿な。
一月に大型クルーズ船が横浜に来て、
そこから瞬く間に広がって、
誰しも「今まで通りにはいかない」
そう思わされた新型コロナウイルス
『不安はなかった』
そう言い切れるなんて。

そんな話を研修の合間、社員としていた。
そうしたら、一人がふと

でも、わかる気がするな。
学生の間って、いつも通りってよりも
毎日違うことだったし。
だから、そもそも
【今まで通り】って考えが無かったかも
毎日違う事が当たり前なら、
【今までとは違う】ってなっても
『いや、今もそうだし』
ってなれるのかもね。

確かにそうだ。
社会人になると、仕事や生活の中で
どうしてもルーティーンの中に身を置くようになる。
案件や、人は都度変わるんだけど、
それを一般化して標準化して、
ルーティーンに落とし込んで行く。
だから、新しく入ってきた人に、
『慣れるまでの辛抱だよ』
そんな言葉を掛けたりする。
新型コロナウイルスのその不安とは、

今まで作り上げてきたルーティーン
即ちノウハウが通用しなくなるかも

それが大きいのではないか。
常に変わり続けて、
【今まで通り】
そんな考えが存在しないのなら、
そもそも【今までが通用しない】事に
不安を覚えることが無いのかもしれない。


ただ、それはそれで大変。
小川洋子さんの【博士の愛した数式】の博士の様に、
毎日毎日一から構築する必要がある。
ロマンティックではあるが、
非合理的だ。
ルーティーンの良さを活かしながら、
変化し続ける道を模索したい。
その為には、

季節の小さな変化や、
周りの人たちのさりげない気遣い、
日々、出会ったときどんな表情をしているか、

興味や感受性を持ちたい。

今の世の中、ブラックスワンだらけだ。
その中で不安を感じて体を壊したり、
他者に対して攻撃的になってしまう。
だから、
【季節の変化や周りの人たちの気遣い、表情】への【感度】
それを高め続けることで、
【ルーティーンに身を置きながらも、常に変わり続ける】
そんな自分が、自分を守ってくれる。

それを目指せれたらいいなと思う。



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