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なんの意味もない【格差】とやらを見てしまった

数年前、【家を建てる】系の番組をよく見ていた

番組名も忘れてしまったが、
ある時、一つの番組内で、
二組のご家族がそれぞれ家を建てる、
その模様を【格差】を切り口に放送していた。

一方は、
世界中にクライアントを持つ仕事をされている夫さん。
一見して裕福に見えるご家族。

閑静な住宅街に家を建てると決め、
着工のだいぶ前からその土地に移り住み、
土地の雰囲気などなどを実際に感じてから
家を建てだしていた。

建てているお宅も、それはそれは見事なもので、
まさしく『豪邸』と呼ぶにふさわしい。
建築費用に9000万円と言うそのお宅には、
一つ一つの意匠にとてもこだわりが詰まっていた。

もう片方は、
都内足立区の駐車場として使われていた土地、
750万円で手に入れたご夫婦。

ご近所の方々も、
『あんな狭いところにまさか家なんて』
そう仰るくらい広くない土地。

建材を搬入するにも一苦労な場所に、
施主さんの幼馴染の建築士さん
実際に工事に当たる職人さん
皆さんが知恵を絞って家を建てていた。

放送を見ながら、「残酷だな」と感じたのが、
この2つのお宅を建てていく模様が、
交互に交互に放送されたこと。
否が応でも
【格差】と言うやつを意識せざるを得ないやり方だった。

それと同時に、いわゆる【格差】と言う言葉に
さしたる重みはないんだな
と感じた。

足立区の狭小地にお宅を建てたご夫婦、
お二人とも漫画が大好きだそうで、
週末はBook Offにお二人で出かけ、
気に入ったものがあれば大人買いして
二人で読む。

建てられたお宅は、狭小地なので
居住スペースを確保するために背が高くなった。
その1フロアの壁全体に、
漫画が数千冊置ける棚を建築士が設置していた。

お宅が完成後、
ご夫婦が楽しそうに棚に漫画をいれて、
寛ぎながら読まれていたシーンが、
とてもとても幸せそうで豊かに映った。

逆に建築費用9000万円の豪邸を建てたご家族
その夫さんの書斎がたったの2畳しかなかったのを
哀れに感じてしまったくらいだった。

格差社会と言われる。
確かに格差が大きな問題になっていることは
容易に想像が出来る。

ただ、格差で論ずるべき問題と、
論ずるべきではない問題、
それがごっちゃごちゃになっている
のではないかと思う。



以前、【お金は武器】という記事を書いたがそのまとめとして

お金は大事だ。

なぜ大事なのか、
それは、
お金より大事なことが世の中沢山ある。
だから、お金で何とかなることは
お金で解決した方が、
お金では何ともならないことにフォーカス出来る。

だから、お金は大事。

そう纏めさせて頂いた。

この漫画好きのご夫婦は、
既にお金より大事なものを持ってらっしゃるんじゃないか、そんな気さえしてくる。そんな方々を、【経済格差】と言う切り口で論ずること自体がナンセンスだ。

【格差】は是正すべきだと思う。
しかしながら、

【格差】で論ずるべきではないことまで、
【格差】と言うフォルダに入れるべきではない。


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