見出し画像

読解アイテム③「対比」

三回目は、「対比」について。

考え方・教え方 ☞ 「さあ、みんな!筆箱から明るい色のペンを出して!それに対して、暗い色のペンは?」「おっけい! それでは、今の行為を文章にしてみようか! 前回行った、主語と述語修飾を使うんだよ!」※うまく書けない生徒には以下の文章を板書し、穴埋め問題形式にして促す。

「例:生徒Aくん 明るい色は赤ペンです。それに対して、暗い色は黒ペンです。」

【対比の特徴①】対比の言葉を伝える ☞ 「A逆接B」「AよりもB」「Aなのに、B」「Aに対して、B」「Aに比べて、B」「Aではなくて、B」※「なのに」は変化、「逆接」は正確には対比ではないが、受験では同じとして考えて差し支えないため、あえてスルーします。

【対比の特徴②】形を揃える ☞明るい色は/暗い色は 名詞(赤ペン)/名詞(黒ペン)

【対比の特徴③】★応用★ココが一番大事★

「よし、では『明るい色は赤ペンであるのに対して、暗い色は黒ペンです。』の文章を黒ペンを赤ペンにして、同じ内容を作ってみて!」

「例:生徒A 明るい色は赤ペンであるのに対して、暗い色は赤ペンではないです」 

☞「対比」が受験レベルで活用されるのは、(特徴①や②はみなが知っていること)特徴③への意識。これこそが本質です。以下の表題をどう読み取るだろう。

“ひとりで渡ればあぶなくない”「森毅著」

「あぶない」(もちろん、みんな理解できる言葉、故に「危険」などというように言い換えられるよね)×「ない(対比、つまり、反対の内容)」≒危険ではない≒安心

ひとりで渡る☞安心(対比、つまり、裏を返す)みんなで渡る☞危険

この表題の読み方を字面通り読むのではなく、対比的な視点で複数の読み取り方をするようにしよう。これが国語力を伸ばす秘訣!では、こんな問題ならどう考える?

以下が本文。

まずなにより、はみだしをなくそうと、ときにははみだしを切りすてる、そうした学校のあり方が、なんともあやうい気がするのだ。さしあたり、非行生は非行生なりに、そのままの姿で、学校のなかにどう位置づけられるのか、それを考えるのが先のように思う。 さもないと、優等生が善だけで、非行生は悪だけど、「まっぷたつの人間」が増えそうに思う。それは、とてもおそろしい。もしも、「よいこと」しか経験したことのない人間ができたら、とてもおそろしい。【森毅著 「ひとりで渡ればあぶなくない」 】

以下が問題。

「ひとりで渡ればあぶなくない」を上の文章を使い、説明しなさい。

例:答え 善や悪とまっぷたつに判断する人間(よいことしか経験したことのない人間)は、その判断以外の人間を除外するので、おそろしいこと。

第一回で説明した言い換えを使い考えてみよう。基本的に、受験国語の記述は傍線の頭からお尻へ順番通り言い換えるとよいぞ。傍線部の長さには意味がある、って知っておこう。(作成者が引く傍線部の長さには意味があるんだ! これが意味をなしていないなら、その問題は悪問ですね…)

みんなで渡る とは 判断を二項対立的に、二者択一に考える、画一的な思考で行動することなんだよね。(太字は受験でよく出る言葉)(画一の反対は何? 〇〇性 だね)

このように、「対比」の視点を持つと多面的に読み取る力が増えるので、言い換える力も鍛えられ、読解力が増すよ! そもそも、この「ない」「以外」というのは人間が持つ理性の象徴でもあるんだ。だって、「嘘」のことだもん。嘘をつけるのは、動物の中では人間だけ。理性があるから、嘘で私たちはその場を切り抜けるもんね。衝突したワンちゃんたちが(ここでは同じ体格とする)「ワン!(建前:すいません)(本音: 前見て歩けよ!)」と本音を隠してその場をやりすごせないもんね。

ワンワンワンワンwナイワンワンワンワン! って吼えるよね、普通。

理性の力を活字を通して測るテスト(≒国語)ならなおさら、この「対比」の視点はめちゃめちゃ重要になるよ!さあ、ちょっと長くなったけど、今日はこんな感じで!しゆーあげいんー!(PS:古典やってという声が少なくないので、近日中にあげます!待っててね。)

■■PS.写真とともに私のことを■■大学は編入したので、2年しか通っていません。愛大文学部哲学科卒。だから、専門、短大、大学と卒業証書がたくさんある。あ、予備校もか。これ、制覇したのではwww(母親にあんたを産まなければ…となんども言われたなー。)だからってわけじゃないけど、勉強しても結果がでない生徒の状況はなんだろ、親身になれるし、より大事に思える。そだ。この写真はそんな大学時代に書いた同人誌。大学内だけで販売してた。それと、後ろのノートは綺麗な文章とかをメモしたり、物語構造を自分なりに分析したり。そんなこんなで、卒業後はゲーム会社へ。そこで学んだ教訓☞「貧すれば鈍する」。得たスキル☞「ブラック企業への耐性」「タイプの速さ」。ま、紆余曲折ある人生の途上で、みんなの役にたれればそれで御の字だなと思う今日この頃です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?