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デング熱 in ラオス

ラオスに来て、あっという間に10か月。

1日1日は長いのに、過ぎてみると一瞬に感じてしまう。

気付けば、残りも8か月。

毎日を大切に過ごさねばと思っていた先月・・・

まさかの、デング熱にかかりました( ;∀;)

今年2022年は世界的に流行しているらしいデング熱。

日本ではほとんど見られないデング熱。

名前からして、いかにも怪しいデング熱。

1か月経った今はすっかり回復して元気いっぱいなのですが、

いろいろと貴重な体験だったので、備忘録として記録しておきます(  . .)φ

デング熱とは?

デング熱とは、蚊に刺されることによって感染する感染症です。
感染すると、1週間程の潜伏期間の後、およそ2~4割の人が発症。
38~40度の発熱、激しい頭痛、関節痛、眼窩痛、発疹などが現れます。
特に関節の痛みが激しく、英語で“Break bone fever”とも呼ばれています。
通常、5日前後で解熱し、治りかけた時に発疹が出現します。
発症した患者の数%ほどが重症化し、まれに死に至ることがあります。
ワクチンなどの治療法はなく、蚊に刺されないための予防が大切です。
※『厚生労働省検疫所FORTH』HP参照

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ちなみに、「デング」はスペイン語の「デングエロ」に由来するという説があるそうです。
「デングエロ」とは、英語でいう「ダンディー」。
デング熱にかかると背中がひどく痛み、まっすぐ立てないので、背筋を伸ばして歩く姿がダンディーに見えるからだそうです。
※『みんなで防ごう!デング熱』HP参照

私自身、ここで刺された!という覚えはないのですが、

おそらく配属先の職員室でしょう・・・(いつも蚊がブンブンしてます。)

謎の高熱と痛み・・・

ある日の活動後、倦怠感があったため熱を測ったら38.5度。

そこからさらに高熱が続き、体中が痛い痛い!頭と目の奥も痛い痛い痛い!

病院には行きたくなかったけど、翌々日タクシーでしぶしぶ病院へ・・・(翌日はひたすら耐えたw)

血液検査をしたら、すぐに「デング陽性ですね~」と言われました(T_T)

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ちなみに、受診したのは日本人の先生がいるFrench Medical Center。

病院内はきれいだし、日本人の先生いてくれてめちゃくちゃ安心!!

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診断名が出るまでは謎の症状に不安がいっぱいだったので、

「デング熱なら仕方ない。」って諦めがつきました◎

頓服の解熱剤と栄養剤を出してもらって、自宅療養に。

でも、さすがBreak bone feverというだけあって、

すべてが痛い!熱も下がらない!ご飯も食べられない!

しかも薬や果物が体に合わず、吐き気も加わり・・・辛いのピーク。

日に日に体力を奪われていきました。

2度目の通院

発症から5日目、熱は少し下がったものの、安定して38度前後をキープ。

体中の痛みも続いており、食事もほとんどできておらず、

ヘロヘロになりながら、タクシーで2度目の受診へ。

再度血液検査をしたのですが、止血ゴムが見当たらずゴム手袋で代用!?

ラオスのこうゆう臨機応変さ、大好きです♡笑

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結果、数値が改善しておらず2日後に再受診を言い渡されました(T_T)

デング熱が軽症で済むか重症化するかは、

発症して5~7日目が重要なんだとか。

血小板の数値が下がり、一度出血すると止まりにくくなるので、

体外や体内で出血すると重症化して、大変なことになるそうです。

恐るべし、デング熱の威力・・・

まさかの人生初入院

2度目の受診結果を健康管理員さんに報告すると、

「体力なくなってるの、心配だね。入院しようか?」

(; ・`д・´)(; ・`д・´)(; ・`д・´)(; ・`д・´)(; ・`д・´)

「入院はイヤですー!!!!!!」

実は私、日本でも入院経験がないんです。(点滴すらない健康児。)

ましてやラオスで入院だなんて・・・丁重にお断りました✋

しかし、翌日、再び健康管理員さんから連絡がきて、

「JICA本部からも入院させるよう連絡きたので、今から入院できる病院にいきましょう。30分後に迎えにいくねー!」

(ノД`)・゜・。(ノД`)・゜・。(ノД`)・゜・。

もう抵抗できるような雰囲気でもなかったので、しぶしぶ受け入れました。

念のため1泊分のお泊りセットをもってKasemrad international hospitalへ。

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さすがタイ支援のインターナショナルの病院!!めっちゃきれい!!

3度目の血液検査を受け、当然のように入院を言い渡されました(T_T)

すぐに、初めての点滴針を入れられる・・・

多分上手だったけど、痛みと緊張のあまり一気に血の気が引いた( ;∀;)

そして、歩けるのになぜか生まれて初めての車いすで病室まで運ばれた。

どよーんと落ち込んでた私のテンションは、クララ気分でちょっと上がるw

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車いすで運ばれ、着いた病室を見て、さらにテンションが上がるw

まさかの個室!! しかも、トイレシャワー・キッチン付き!!

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ホテルか、ここは!!?笑

一協力隊なのに、なんでこんなきれいな病院に入院できるのか・・・実はちゃんと理由があるんです。

ラオスの医療事情は近くの国々と比べても遅れており、適切な治療を受ける設備や人材などが備わっていないという非常に厳しい現状があります。

ラオスに住む人たちは、大きな病気やケガをした時など、お隣のタイへ行って治療を受けるそうです。

ラオスのローカル病院に入院する場合、貸し出されるのはベッドだけ!というところもあるそうで、シーツや毛布なんかは持ち込みなんだとか。

ローカル病院は入院中の食事も提供されないので、家族が病室に泊まり込み、代わりばんこで患者さんのお世話をするそうです。(ラオスは家族を大事にする文化、親族なども含めて家族です。)

そんなラオスで、家族もいない外国人が適切な治療を受けようとすると、

どうしても高価なインターナショナルの病院になってしまうのです。

(もちろん入院費や治療費はビックリするくらい高いです。保険様!!)

仕方ない・・・このホテル、いや病室で寝泊まりさせていただきます(/ω\)

入院生活

きれいな病室にテンションが上がったといっても、所詮は病人。

熱は徐々に下がってきたものの、ほとんど寝っぱなし。

生まれて初めての点滴のせいで、体痛いのに寝返りうてないし、

トイレに行くときも一苦労だし・・・

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でも、その点滴に救われました!!!

最初はほとんど食べられなかった病院食も、徐々に食べられる量が増え。(味濃いめだけど、美味しい♪)

入院食

身体を起こしていられる時間も増え。2日目夜はシャワーも浴びれちゃう。

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下がり続けていた血小板の数値も、入院3日目についに回復の兆しが!

その晩には点滴を外して様子見。(針は刺さったまま(T_T))

そして、入院4日目、無事に退院しましたー!!!!!

1泊で帰る予定が3泊もしてしまった・・・でも、やっと家に帰れる✨

ホテルのような個室もいいけど、やっぱり我が家が最高だね♪♪

まとめ

発症してから症状や血液検査の数値が回復するまで、8日間。

退院してから少しずつ食欲が戻り、体力も徐々に回復していきましたが、

完全復活!と言えるまでは3週間ほどかかったでしょうか。

研修所でも注意喚起されていたデング熱・・・侮ってました(ノД`)

私の場合、治りかけに出る湿疹はほとんど見られませんでしたが、

長引く高熱と食欲不振、異様な関節痛や眼窩痛は、正直きつかったです。

そんな時、優しくしてくれたラオス人の同僚の優しさは心に沁みました♡

そしてやっぱり海外にいて一番怖いのは、医療事情。

今回はJICAスタッフの方に大変お世話になりましたが、

個人で遊びにきている旅行だったらと想像すると、ゾッとします・・・。


長くなりましたが、ただ辛かった報告がしたかったわけではなく、

今回の経験を記録することで、自分への戒めはもちろん、

感染症の怖さやラオスの医療事情をお伝えしたいと思って記事にしました。

デング熱にならないためにできることは、「蚊にさされないこと!」

みなさんも東南アジアを旅する際は、手強い蚊にご注意くださいー( ;∀;)