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「自分の薬をつくる」

 坂口恭平さんの本を久しぶりに。ワークショップが元となっているので、活気というか、臨場感、スピード感がある。

 相変わらずの坂口恭平さん節。変わらないなぁ、と思う。もう一本筋が通っているというか、彼には人間に対してなにか確信があるのだろうな、と思う。

 インプットだけでなく、アウトプットをしよう、実際にやらなくても企画書を書いてみよう、アウトプットは、適当にサッと形にする。ただの楽しみとしてやる。などなど、いつも通りの説得力。

 気になったものをいくつか。

 「否定する力」らの使い方。ホックニーの言葉とあったが、「自分に深刻になるな、作品に真剣になれ」という言葉は印象に残る。作品の否定はどんどんすれば良い、それはすなわち「次を作るってこと」と、転換していく。否定の気持ちを止めなくて良い、それを作る方にぶつける、そしてそれを量を作る燃料としていく、とでもいう感じ。消えることのない否定する力を有効活用しよう、というその考えはとても面白いし、納得する。
 このnoteもアウトプットの一種なのかなぁと思ってぼちぼち続けている。

 悩みは口にしてみよう。1番気になっている事は、積極的に口にすること。個人的にはこれは人にうまく頼ろう、ということなのかな、と。ちゃんと人も選ぼうね、否定する人とは離れよう、と当たり前のようで役に立つコメント。
 そして、「ほとんどの人が同じようなことを抱えていて、しかも抱えているのは自分だけだと思い込んでる」「独自の悩みはない」というのは、「いのっちの電話」で、2万人の話を聞いている坂口さんの口から出ると説得力がある。
 人と比べて、自分が劣っているように感じるのは、ほとんど全ての人がしていること、この社会の特徴なのかもしれない、というのもユニークだ。

 アドバイスの中でできているのは「自閉」すること、かな。平日はどうしても仕事で人と接して疲れてしまうので、平日夜は予定を入れない、人と会わないようにしている。土日もいずれかは1人で過ごすようにしている。
 私は近くにものすごく小さな畑を借りているのだけれど、これは坂口さんの影響。日に当たることも良いとされているので、お日様の出てるうちに外で少しだけ作業する。正直あまり楽しいとは思わないけれど、気はすごく紛れる。

 坂口さんみたいに自分の薬を自分で作るまではいかないけれど、少しずつ自分を助けながら過ごせると良い。




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