「深い河」
遠藤周作の「深い河」。そんなに有名な作品ではないかもしれないけれど、私の中にずっと残り続けている作品。
一度本を手放したものの、思い直してKindleで再購入。時々読み返している。 この本がきっかけで、「テレーズ・デスケルウ」も読んで、とても良かった。
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000350353
久しぶりに読んだけれど、やはり良かった。
最近あんまり感じることができないけれど、響くものがあった。
成瀬さんのよるべないような、それでいて何かを探している姿にはとても共感する。
5人のメインの登場人物が出てきてそれぞれの孤独と、拠り所であったもの、それをめぐる旅のある種終わりを、インドへの旅を通じて描いたものだ。
遠藤周作の感じた、自分の思うキリスト教と、ヨーロッパのキリスト教のギャップも詳しく表現されていてとても興味深い。私も遠藤周作的な解釈が肌に合う気がしている。
この本にはまだ第二次世界大戦の記憶が濃く残っており、月日が流れ、もうその記憶も失われつつあることも感じられる。
私は、遠藤周作に学生時代夢中になって読んだ記憶がある。この「深い河」と「沈黙」はKindleで買って今でも手元に置いてある。
共に学生時代から心に残っている作品だ。
今はあまり読まれないのかもしれないけれど、私にとっては人にも勧めたい作品だ。
読んでみて、自分にとって大切なものとは何か、信仰とはなど、考えさせられる本だと思う。私にとって大切なものは相変わらずわからないけれど。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?