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「夏物語」
川上未映子の「夏物語」を読んだ。
これも「文学は予言する」で、取り上げられていたものの一つで、図書館で借りてきた。
川上未映子さんの小説は初めて。Twitterが関西弁なので関西の出身なのかな、と思っていた。
この小説の第一部は、関西弁で、私には少し読みにくかった。私も関西出身なのだけど、聞く、話すと違って、読む関西弁というのはどこか違和感があった。
第二部では関西弁もなくなり、そこから比較的進むように、といってもかなり休み休みで、なんとか読み終えた。
感想がうまくまとまらない。
色々なことを考えてしまう。子供を持つということ、家族の在り方、親とは、子供を生み出すということ、などなど、考えることは尽きない。
私も普通に過ごしていて、目の前の仕事をしていて、なにも人生を変えるようなものに出会うこともなく、何者にもならず淡々と生きているけれど、その中で子供を持ちたいと強く思ったことは正直に言ってなかった。私にはその機会はないのだな、と漠然と思ったくらいだった。だから、私には主人公の夏子の気持ちはよく分からなかった。でも理解はできないわけではない。
どちらかというと善百合子の話していることの方が説得力があった。反出生主義的な考え方なのだけど。(こことても気になると思ったら、最後の参考文献に森岡正博著「生まれてこない方が良かったのか?」が出ていて、なるほどと思いました。)
なんというか、重層的でいろいろなことを考えさせられる本だった。かといって重くはないので、なんというか現代小説そのものというか、今、読まれるべき本で、まさに今を写した本なのだな、と。
川上未映子さんの本はまた読みたいな、と思った。
私は最近の小説は図書館でも順番待ちの凄まじさにいつも後回しにしてしまうけれど、もっと読んでみるべきだな、と思う。
自分は今を生きているのに、ずいぶん今に疎いような気がした。
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