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「心の容量が増えるメンタルの取り扱い説明書」

  いつも主治医の机の上にあるので気になって図書館で借りてきてみた。主治医の机の上にはこれと、伊藤絵美さんの「セルフケアの道具箱」がある。

 「セルフケアの道具箱」とはまた違った切り口ですが、基本的に認知行動療法的なものかな、と思う。とてもわかりやすい。

 個人的には第6章の思考編の思考の列車の話、思考が浮かんだからといって、いちいち真に受け、信じる必要はない。どの志向の列車に乗るか決めよう、というのは興味深かった。

 どれも説明があって、具体的なやり方、実戦の方法があるので地道にやるにはとてもいい本だと思う。

 他方、ここまで個人で心のキャバを広げなくてはいけないのだろうか、とも思う。とても良い本だと思うのだけど、メンタルヘルスの自己責任化みたいなものを感じてしまって、うまく入り込めなかった。
 最後の総仕上げの章には、少し触れられていて、必要に応じて専門家のサポートを受けながら、状況そのものを変える行動を、社会として対応すべきこともある、と述べられているのだけれど。

 きっと回復期にこれを読んでコツコツ見直しと、復活に向けて具体的に実践するのにはとても良い本だと思う。

 こういう本を読むと、思ったことを紙に書き出す、というのはかなり効き目があるのだな、と思った。

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