微睡の世界VOL.8 寺嶋由芙デビュー10周年に寄せて
遅くなりましたが、寺嶋由芙ちゃんがソロ・デビュー10周年おめでとうございます。
僕が関わっていない曲もいくつかあるのですが、ほぼ全曲デビューからプロデュースしてきました。
個人的にも一人のアーティストを10年間関わっって来たというのは他にないです。
10年というのはなかなかの時間だと思います。
ちなみに2014年のTIF 出演者です
http://www.idolfes.com/2014/line-up/
今も定期的に活動しているアイドルは3%くらいでしょうか?
彼女は正直、派手に売れたという事はないですが、定期的なリリースとライブを毎年行っています。これってなかなか出来ない事だと思います。
ミュージシャンにはデビューに際して、売れる事より続けることの方が価値があるという話をしています。
事実、フジファブリック、BaseBallBear、Art-Schoolは国民的な人気バンドという事はないですが20年以上続けてくれているのは嬉しい限りです。
彼女は、それをアイドルでやってくれているのかもしれません。
彼女に関して、自分が初めてアイドルをプロデュースするという事もあり、明快なビジョンは実はありませんでした。
彼女に最初「どんな音楽がやりたい?」と聞いた時、NG(何かは諸般の問題で秘密)はあったのですが、これがやりたいという意思は特にありませんですが
僕に、やりたかった事があるとしたらはアイドルも曲が良くないと売れない、ジャンルを超えて聞かれるような名曲を作りたいというのはありました。
トレンドとして、今やると面白いと思う音楽スタイル取り入れたアイドル・ソングを作ってみたいというのもありました。
なので、寺嶋由芙の音楽スタイルに一貫性はないんです。
僕がプロデュースしていた頃のフィロソフィーのダンスはファンクやブラック・ミュージックをバックボーンとしていました。
CIRGO GRINCOはそれをさらに本格化するというものでした。
他にも女性アイドルはロック、いわゆるアイドル・ソング、パンク、音響系、テクノ、電波ソングなど、なんらかの基本的なスタイルはあると思うんです。
ですが僕が彼女でトライしたのはニュー・ウェイブ、ディスコ、ラテン、ロック、昭和歌謡、電波ソング、80’歌謡、シティ・ポップ、ラバーズロック、演歌、果ては童謡、音頭までやりました。
https://open.spotify.com/playlist/7zcjTiNphtjtEmX2wID9b7?si=8a50c8d0b51e4b15
バンドやアーティストだと「お前は何がやりたんだ?」という話になりますが、彼女はそうはなりません。
それは彼女が「寺嶋由芙」というジャンルだからなのではないかと思っています。
でもふと思ったんですが、同じようなスタンスのアイドル・グループがいますよね
それはモーニング娘。なんです。彼女たちも、ディスコからノベルティー・ソング的なものまであらゆるスタイルの曲をやっていますが、モーニング娘。であるというスタンスは揺るがないですよね。
そして寺嶋由芙はご存知のようにモーニング娘。に憧れてアイドルを志すようになったんです。
僕は彼女をモーニング娘。的なスタンスにしようとは前述したように、まるで思っていませんでした。ですが気せずして、彼女はモーニング娘。と同じようなアイデンティティーを持ってしまった訳です。
僕が彼女をプロデュースているのではなく、彼女に自分が望むようにプロデュースしてくれるプロデューサーをプロデュースしていたのかもしれません(ややこし)
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