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Unexpected survivors

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2021年2月末の末娘の手術からリアルタイムで書き続けた、日記のような物です。結末が分からないまま書き続けました2021年4月に末娘が退院するまでの記録。
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記事一覧

明日は、続く(Unexpected survivor9)

末娘が笑顔、表情を少しずつ取り戻し始めるのと同時に、彼女は折角病棟の神、師長さんが割り当…

きなこ
3年前
5,525

留守番乃記(Unexpected survivors番外)

母が来てしまった。 実家の母、御年70歳、持病は高血圧、性格は超絶心配性、完璧主義の料理…

きなこ
3年前
3,658

笑わない(Unexpected survivors8)

3月の最後の日曜日の午後、末娘は、1ヶ月と1週間ぶりにICUとPICU、付き添い不可の重症者も…

きなこ
3年前
4,083

食べない(Unexpected survivors7)

人工呼吸器を無事抜管して、鎮静を抜いたら、末娘の意識状態が冬眠していた熊が春の光に誘われ…

きなこ
3年前
3,380

お祝い(Unexpected survivors6)

人工呼吸器を長期使用している状態、それは患児にとってとてもストレスであると同時に 「喉が…

きなこ
3年前
3,705

解けない(Unexpected survivors5)

末娘が小児病棟の小児用のケアユニット、PICUに移り、毎日の面会時間が長くなった。 ICU逗留…

きなこ
3年前
3,455

お引越し(Unexpected survivors4)

長時間の手術の後に起きた心臓と肺の機能低下と、そこから波及して起きた腎臓と肝臓の機能悪化、それを補うための補助循環装置と人工透析と人工呼吸器に繋がれての数日、それに耐えるための筋弛緩剤と鎮静剤と鎮痛剤を相当量使用した末娘は、それを身長94㎝の小さな身体の中に貯め込んだまま静かに眠っていた。 それでも主治医が筋弛緩剤の使用を止め、鎮静と鎮痛の量を徐々に減らす方向で意識の覚醒への調整を始めてから3日目、先生が 「僕が夜に見ている時、手をぎゅっと握ってくれましたよ」 微かに動

醒めない(Unexpected survivors 3)

術後8日目。末娘の開いたままだった胸骨が閉じられてワイヤー固定され、胸部が縫合された。 …

きなこ
3年前
4,246

さよならECMO(Unexpected survivors2)

これは、末娘の心臓手術の翌日から1週間の話。 まだ、死の淵の近くをよちよちと歩く我が子を…

きなこ
3年前
4,297

Unexpected survivors

『Unexpected survivors 』予期しない生存者。生存率50%以下からの生存と言う意味の言葉ら…

きなこ
3年前
4,753