マガジンのカバー画像

短編小説集 天体観測(仮)

7
1万字前後の短編小説の置き場です。一番目の作品がしし座流星群の話なので『天体観測(仮)』です。星の事にはあまり詳しくありませんすいません。
運営しているクリエイター

記事一覧

短編小説:そして、ぼくらは。

下記2作を、連作の短編としていましたが、結局さらに続編を書いてしまったこれは何と言うのか…

きなこ
3年前
1,078

短編小説:星とおにぎり

上記の続編を書きました。よろしければ。 ☞1 今29歳の僕が、自分のこれまでの人生の中で…

きなこ
3年前
1,318

短編小説:月とナポリタン

☞1 僕に兄がいたのは小学校1年生から4年生の3年間の間の事だ。 父が勤めていた建設会社…

きなこ
3年前
1,791

短編小説:おおぐま座のしっぽに向かって進め

☞1 俺が小学校3年生から高校3年生まで育った母の生まれ故郷は、豪雪地帯と呼び名の高い北…

きなこ
3年前
738

短編小説:あかつきのきみに。

☞1 その日、俺は、会社に行かない事にした。 無断欠勤だ。 このまま地上に出てタクシーを…

きなこ
3年前
832

短編小説:10年後のしし座流星群の日に。

☞1 しし座流星群が極大を迎える明日未明、ある私鉄駅の上り線のホームで、反対側の下り線の…

きなこ
3年前
802

短編小説:プラネタリウム

☞1 本当はいくらでも布団の中で惰眠を貪っていたい5月の3日勤明けの休日、私は適当に通販で購入した税込み28900円の全然似合わない黒いドレスを体に引っかけて、履きなれないパンプスを履き、小銭しか入らない小さなビーズのバッグを片手に、あとの残りの荷物を普段使っている帆布の巨大なトートバッグに全部詰めて電車に乗った。 今日、6つ年下の妹が結婚する。 私は妹が大嫌いだ。 大体、妹の名前が姉妹として平等さに欠けるというか、私を貶めている。私の名前が咲子で、これは父方の祖母が