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『風間公親 教場0』 第7話「第四の終章」 感想


概要

放送局:フジテレビ系列
放送日時:2023年5月22日(月曜日) 21時00分~21時54分

原作:長岡 弘樹
 『教場0 刑事指導官・風間公親』(小学館)
 『教場X 刑事指導官・風間公親』(小学館)

脚本:君塚 良一
音楽:佐藤 直紀
プロデュース:中江 功、渡辺 恒也、宋 ハナ
演出:中江 功
制作著作:フジテレビ

番組公式サイト リンク

感想

 前回のラストで起こった事件の実況見分から物語は始まります。今度の新人刑事・鐘羅路子(演:白石麻衣)は「なんとなく」を多用し、男女関係を詮索するかのような言動が目立つ刑事。昨日の今日と考えると、やや緊張感に欠ける印象は否めません。
 が、人間関係の機微を見抜く感性は本物。事件参考人のひとりで舞台女優の筧麻由佳(演:瀧本美織)の僅かな言動から彼女の本性や事件の背景を見抜く活躍を見せました。所謂"人を見る目"に自信がない僕としてはその観察眼を見習いたいところです。
 私生活ではヒモ男・西田徹(演:渋谷謙人)に貢いでいる模様。この関係性が次回のカギになると同時に、彼女の人間観察力はそういう経験に培われたものなのかな…というのは邪推でしょうか。
 あまり良くない人間関係はそれなりに経験しているのに、僕はなぜ人を見る目がないのでしょうか…。

 風間が鐘羅に放った言葉に「武器と呼べる特技は、致命的な欠点にもなりうる」というものがありました。考えさせられます。
 "武器"と呼べるレベルまで特技を磨き上げることそのものはいい事ですが、それに"絶対の自信"を持つとそこが穴になりかねない。また、「一芸に特化する」ということは「その"一芸"が封じられたとき、打つ手がなくなる」ということと紙一重(『るろうに剣心』の斎藤一や『黒子のバスケ』の緑間真太郎のような「基礎能力がおしなべて高く、そのうえで作中屈指レベルの"一芸"を備えている」というキャラクターは別ですが)。
 鐘羅も警察官としての基礎能力は低くないと思われますが、風間は彼女に潜む"一芸への過信"に釘を差したのでしょうか。

 そんな鐘羅ですが、ラストでは麻薬取締部の刑事から実相寺実の情報を内密に聞き出そうとする姿が。彼女がかつて言った「女がヒモ男に貢ぐとき、『その女は弱みを握られている』か『ヒモ男が優しい』か」という言葉は、彼女自身に向けられたものでもあるのでしょうか。
 スペシャルドラマ版ではそこそこ居た「警察官としてあるまじき行為に及んだために、辞職を命じられた」というパターン、本作では初めてのそれになるのでしょうか。

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