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『上京生活録イチジョウ』 1巻 感想
概要
著者:三好 智樹、瀬戸 義明
原作:萩原 天晴
協力:福本 伸行
初版発行:2021年
デジタル版発行:2021年
発行者:森田 浩章
発行所:株式会社 講談社
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発行者による作品情報
東京都‥‥板橋区大山‥‥!帝愛裏カジノ店長にして、悪魔的パチンコ台「沼」を作った麒麟児・一条聖也。後に、宿敵・伊藤カイジと死闘を繰り広げることになる一条にも、未だ燻り何者にもなれぬ青年時代があった‥‥!若者の夢‥希望‥絶望‥その全てを呑み込んできた"沼"‥‥「東京」を舞台にした、フリーター・一条と後輩・村上による1K6畳住まい、野望と困窮の上京物語‥‥!
感想
始まりました。『カイジ』シリーズに登場した宿敵達の日々を描いたスピンオフ第3弾。利根川幸雄、大槻太郎(E班班長)ときて、次は一条聖也です。次作は村岡隆でしょうか?
大学生や同年代フリーターの「あるある」的な話がふんだんに詰め込まれています。口では立派なことを言っても行動面がそれ以前の問題(そして自分でもそれに気付いている)だったり、いざ行動に移そうとしても形だけだったり、自転車があれば住んでいる町をどこでも回れると思ったり。
そういった面白さの中にも、一条の"野望"と"現状"の落差からくる焦りや悲哀が感じ取られる作りになっています。でもそんな中にもモモ太(村上がもらったジャンガリアンハムスター)の"徒労"ともいえる疾走に自分を重ね、努力を積み重ねる糧にするなど、一筋の光が差すような展開もあります。
巻末にある『中間管理録トネガワ』と『1日外出録ハンチョウ』の広告もなかなか面白いことになっているので、ぜひ見てください。
完全に私得な余談ですが、モモ太の作画が存外可愛いです。