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『風間公親 教場0』 最終話「仏罰の報い」 感想


概要

放送局:フジテレビ系列
放送日時:2023年6月19日(月曜日) 21時00分~22時09分

原作:長岡 弘樹
 『教場0 刑事指導官・風間公親』(小学館)
 『教場X 刑事指導官・風間公親』(小学館)

脚本:君塚 良一
音楽:佐藤 直紀
プロデュース:中江 功、渡辺 恒也、宋 ハナ
演出:中江 功
制作著作:フジテレビ

番組公式サイト リンク

感想

 後味が悪い。今回の事件に関しても十崎に関しても実に後味の悪い最終回でした。

 今回発生した事件ですが、清家総一郎(演:北大路欣也)の覚悟が決まりすぎている。その目的はともかく、「目的のために自分の目を失明させる」なんてのはできません普通。「(事情があったとはいえ)人を殺したからには、罰を下されなくてはならない」という考えを自分にも一切の妥協なく当てはめる点も含め、その姿にはある種の信念すら感じました。喩えるならば「おどろおどろしい芸術作品を見ているような気持ち」といったところでしょうか?
 動機自体は「暴力的な夫から娘を救いたかった」「その上で、娘に容疑がかからないようにしたかった」という比較的ありがちなものですが、その躊躇ない覚悟に伴う言動が異彩を放っていました。それだけに、先述した失明のシーンは勿論、逮捕されるシーンにも深い悲しみが感じられました。

 ただ、十崎関連について肩透かしを食らった感じは否めませんでした。風間と十崎の直接対決はなく、現状ではモブ刑事が別人を本物だったら間違いなく返り討ちにあっていたシミュレーション(サッカー)紛いの行為で逮捕しただけ。捜査はまだ続きますが、"勝ち逃げ"感は結構どんよりと存在します。
 もっとも、その別人の逮捕は風間を怒らせ、「こんなことが横行するのは現場以前の問題」として警察学校の教官に転属させるには十分でしたが。そりゃそうだ。ただでさえ"連続通り魔(の可能性がある相手)への職務質問"として緊張感がなさすぎるし、「比較的若い刑事がそれをやっている」ということは間違いなく「そういった横暴な行為が日常的になされている」し、風間の台詞通り「警察学校では職務質問のやり方をきちんと教えていない」可能性すらある。その上先述した逮捕の瞬間はネットで炎上している。風間じゃなくても「警察に色々言いたいことがある」とはなりますよ、そりゃ。
 スペシャルドラマ版(1作目)で「職務質問に協力しなかった人間を公務執行妨害の罪で現行犯逮捕するのは、自分にとってもコスパが悪いし、相手にとってもデメリットしかない」という旨のことを言っていましたが、この件を受けての言葉でもあったんですね。

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