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[miwa]聴覚情報処理障がい(APD)って知っていますか。

ASDの息子とエンパス気質の娘と私。非定型発達の親子の話です。


世の中には「聞こえているのにわからない」という人たちが存在します。

・聞き間違いが多い
・音は聞こえるのに、言葉が聞き取れない。
・電話で相手が何を言っているのかわからない。
・うるさい場所では相手の話がわからなくなる。
・画面に字幕がないと意味が理解できない。

こうしたことが起こる背景の1つの可能性として、
相手が私に興味がないとか、仕事のできない人だと決めつける前に、
APDかもしれないなと頭の隅に入れておいてもらえたらいいなと思います。

APD:Auditory Processing Disorder
聴覚情報処理障がい

障がいというのは境目がありません。
特徴が顕著ではっきり出ていない、グレーゾーンの人は世の中に大勢います。

ですが、「定型発達」と「非定型発達」と呼ばれるくらい、
人間にはそもそもの脳の働き具合が違う人たちが存在します。

障がいのある人だって
「努力や忍耐や慣れ」で定型発達に合わせていく部分もあるし、
障がいのない人だって
「特性の合理的配慮」で非定型発達に合わせていく部分もある。

病気のように元に戻る、「元」とはまた違い、
特性は治るものではない、受け入れて付き合っていくものです。
特性っていろいろあるので、こういう知識はもっともっと広まったらいいなと私は思います。


娘は知能指数や精神年齢は高いのに、
集団になると途端に指示が通らなくなり、
園生活がうまくいきませんでした。
何度発達検査をしても異常なし。
ADHDはもっと高学年にならないとはっきりわからない。
聴覚過敏なので、人の話やそれ以外の音も恐ろしく良く聞こえます。
読むのは速く、視覚優位。
私は何かあるのは間違いないとわかっていたのと、通常級では個性が死んでしまうと確信していたので、無理くり特別支援学級に在籍させてもらい、今は学校に通えるようになっています。

当時はAPDを知らなかったので、娘が集団で指示を理解できないのは、
HSPと感覚過敏のせいだろうとまでしかわからず、そう説明していました。

ですがこの聴覚情報処理障害という概念を知り、
こっちの方が説明がつくかもしれないと思い始めました。

私は30代ですが、今までずっと自分は健常者と思い生きてきました。

娘や息子が発達特性と向き合い、親として私も知識をつけていくことで、
私自身も聴覚過敏であることに気づきました。
「世の中みんな自閉症なんだよ。濃度が違うだけで。」と息子の主治医だった先生が言ってたのが印象的です。

そりゃぁ私もグレーゾーンだろうなと自分なりにわかってきました。

この聴覚情報処理障がいも少しだけ、軽度ですが、私の生活に影響しているかもしれないと思いました。

「あ、聞いてなかった」なんてみんな普通にあるとは思うんですけどね。

でも、やっぱりよくよく思い返してみると、
口頭での指示はめちゃくちゃ集中しないと理解できないので
すごく疲れます。電話も名前や会社名を聞き取るのが人一倍苦手でした。

人との会話、特に話を聞くのは得意な方ですが、
よくよく思い返してみると、1対1だから聞けたのかもしれない。
私は「言葉」ではなくて相手の声の雰囲気や音や感情や、目に見えない違うところを使って感じ取っている、という感覚もあり、言葉を聞いているわけじゃない。
耳からの言語処理が苦手」だから、違う分野が発達したんだろうなというのがしっくりきました。


この「APD:聴覚情報処理障がい」」は
専門医である耳鼻科医でも知っているのはまだ少数だそうです。

ということはつまり
病院に行っても聴覚に異常がないため診断もしづらく、医師に「気にしすぎ」と言われる可能性が大いにあるということです。
診断できるのは、「日常に支障をきたしている」くらい深刻なケースでしょう。なので、ほとんどの人は診断されないかもしれません。

グレーゾーンの診断は理解者を得られない部分でメンタル削られることが多いです。

他人というのは天気のようにコロコロと意見が変わるものだから、
気にするのは自分の感覚だけでいいんじゃないかと最近はそう思うようになりました。


「APDかどうか」「医師の診断がおりたか」は重要なことではなくて、
「聴覚の情報処理が弱いんだ」と自覚することが大切だと思います。

それにこのAPDグレーゾーンって世の中にたくさんいるような気がします。


あなた自身やあなたの周りの人たちのことを
「なんとなくそうかもしれないな」と思ったら、それが受容になります。


そう思えたなら、後は対応策をいろいろと捻り出して試していくだけです。


これからは合理的配慮の時代です。

ノイズキャンセリングのイヤホンやヘッドホンを使えば、
BGMのうるさい場所でも指示を聞き取れるようになります。

以前私が女性専用30分フィットネスに入会した時、
インストラクターに話しかけられてもうまく返せなくて、
帰宅するとすごくしんどかったんです。
「ここの人たちと合わないのかなぁ?」と退会も考えましたが、
ふと天井をみると大きなスピーカーが4つもジムの内側に向かって突いているのを見つけました。
そこで原因がジム内のBGMの大きさにあると気づき、「私は聴覚過敏だからジムのBGMがゲームセンターの中にいるように感じるので、イヤホンさせて欲しい」とイヤホンをして自分の好きな音楽を聞きながら参加することにしました。
すると音同士が相殺され、インストラクターの指示が落ち着いて理解できるようになったという実体験がありました。(結局BGMが辛くて退会しましたが)

「耳からの言語処理が苦手なので、なるべくメールでやり取りさせてください。」と一言伝えれば、仕事で電話を使わないことも無礼にはならないと思います。

ボイスレコーダーも今は小型化されていますし、スマホにもあります。
なるべく録音して後から落ち着いて静かな場所で聞き直すようにすれば理解できます。

障がいと正式に診断されていなくても、自分の特性は堂々と伝えていいと私も思うようになりました。
ヘルプマーク(赤いスイスの国旗みたいなチャーム)もつけている人が本当に増えましたよね。
これもある意味で自己開示だと思います。

みんなの意識は変わってきていると感じています。

不自由な箇所があるから、そこを補う箇所の感覚分野が発達する。
全てはバランスです。


この知識が誰かの何かの意識変化に繋がることを祈っています。


ちなみに、私はノイズキャンセリング最高〜と思っていつもイヤホンつけていたら蒸れて外耳炎になったので、ヘッドホンの方がおすすめです。泣

miwa


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