見出し画像

UXライティングのワークショップをやってみたら想像以上に反響があった話

こんにちは。プレイドでUIデザイナーをしている木村です。

今回はタイトルにもある通り、UXライティングを経験的に学ぶためのワークショップを社内で行ってみたら、想像以上にいい反響があったのでそのことをまとめたいと思います。

何をしたのか

2020年1月に行われたDesign Matters TokyoでSlack社のUXライティングの取り組みが紹介され、そこでUXライティングのワークショップが行われました。

こちらの記事がとても参考になりました🙏

そちらを参考に自分たちのプロダクトであるKARTEのことを取り上げてUXライティングのワークショップを行ってみました。

画像1

所要時間
1時間半程度

流れ
- インプット(上記記事参照)
    - UXライティングとは
    - UXライティングの事例
    - なぜUXライティングが重要なのか
- ワーク
    - 数人のグループ(今回は3グループ)に分かれてお題を割り振り、それぞれお題に対してタスクを行う
- ラップアップ
 KARTEの3つのお題
- A.新井さんは、リアルタイムユーザーを見にきたが、何も表示されなかった
- B.馬場さんは、Talk機能でユーザーのお問い合わせをすべて対応した
- C.清水さんは、はじめて「接客サービス」を作成した
ワークのタスク
- 1.お題の場面における、ユーザーの感情をいくつか書き出す
- 2.感情の中から1つ選び、その感情に対するテーマやメッセージを書き出す
- 3.書き出したたくさんのテーマ・メッセージからひとつだけ選んで、グループ内で発表
- 4.グループ内でよかったものを他グループにも発表

なぜしたのか

日頃からプロダクトと向き合い、あらゆる情報を集めているので、UXライティングという概念や重要性、事例はたくさん知る機会があるものの、実際に自分たちのプロダクトにうまく落とし込みきれていない課題感がありました。

また、直近のプロジェクトの中でも直接的にライティングが効いてきそうなものがあり、課題感が高まっていました。

そこでSlack社のUXライティングの取り組みとノウハウを知り、UXライティングに詳しい関係者もいたことから「まずはやってみよう!」という半ば勢いでやってみることに。

どうだったか

結論からいうと想像以上に盛り上がり、多くの学びと反響がありました。

①いろいろな方が参加してくれた

当初、参加者はプロダクトに直接関わっているデザイナーだけで小さくやろうと思っていましたが、Slackで参加を呼びかけてみたところあらゆる職種や役割のメンバーが興味をもって参加してくれました。

画像2

(皆さん控えめに参加表明していますが、結局ちゃんと参加してもらいました!笑)

参加したメンバーの職種や役割
- CDO
- UIデザイナー
- フロントエンドエンジニア
- コーダー
- UXデザイナー
- UXリサーチャー
- カスタマーサクセス
- コミュニティデザイナー
- PdM
- タレントエクスペリエンスデザイナー(人事)

UXライティングを"簡潔でわかりやすい言葉で人とつながる手段"と捉えるとデザイナーだけではなく、いろんな職種の方があらゆる場面で使えるスキルになり得るので、いろんな方に参加していただけてよかったです。

②経験を通して学ぶことで気づきが多く、思考が進んだ

やはり知識だけを得るのとは全く違い、実際に自分たちのプロダクトで考えてみることで具体的に思考できて、多くの気付きが得られました。

参加者からの感想抜粋
- 手を動かして考えることで、資料や記事を読むだけでは気づけなかった発見がありました!
- 「その場にいる人だったらなんて話しかける?」って言われてから、結構今までと違うことを書き出してたので、思考のループから抜け出した感じで、とにかく書きまくることで出てきたのが思ったより良かったりして、新しい発見ができたのがめちゃくちゃ楽しかったです!!
- より口語的で、会話的で、「共感」という軸があることなどがコピーライティングとけっこう違って面白い感覚で臨めた
- テーマを6こ考えて、もう無理だなぁ…と思った後に、一番良いアイデアが出た
- ツールやコンピューターは機械的で冷たい印象を感じがちだからこそ、感情に寄り添って人間的な表現をしていくことを大切にしたいと思った
- 当たり前の事を言わない=コンテキストをしっかり考えて具体的なメッセージが必要なんだなぁというのが発見だった
- 感情を探る体験が新鮮だった
- 感情を強制しない、相手の感情に寄り添うことの大事さを知れた
- 無駄に機能に名前をつけず、できるだけユーザーが学習しなくてもいい"ユーザーの言葉"を選ぶことの大事さを知れた
- KARTEを題材にできたことによって、具体的にどんなことに活用できそうかという話題につながり、実践していけそうという感覚を得ることができました!
- 課題を考える上で、改めてユーザーの気持ちになって考えることができたので、ライティング以外でも活かせそうなアイデアが浮かびました

また、自分たちで考えてみる経験から新たな疑問が生まれ、さらに探求する流れでディスカッションが生まれていました。

参加後の疑問や興味のディスカッションの抜粋
- どういうキャラクターにするのか?を決めておいた方が動きやすそうだなーと思いました。
- ある程度の共通認識つくれると、「カルテならどんなことを言ってくれるのか?」「カルテならどんな振る舞いをするのか」の軸になるかもなと思いました。とはいえ、最初のうちは、着手できそうなページから、is/isn'tの具体を積み上げていくしかなさそうな気もしますね。
- 「KARTE」ってこういう感じ、擬人化したらこういうキャラ、大切にしているトンマナ...など規定も必要だし、でもコミュニケーションが決めつけではいけない。その時のユーザーの感情に寄り添うこと。このバランスが難しいし、ライティングによるユーザー体験の深堀りどころだと思った
- BtoBでHorizontal SaaS. 人格が幾つかあっても良さそう。それさえも知る・合わせるで分かれていってもいいのかもなあって感じた
- UXライティングは「KARTEっぽい」を形作る方法論にもなりうる。メッセージやロゴ、サイト、CMなどのトーンで伝えていることと、管理画面のなかのコミュニケーションをもうちょっとすり合わせることができるかも
- どこかで客観視必要だから、これは一人でやっていい作業なのか?どこでフィードバックをもらうべきなのか?は悩む。
- 最終的に解(答え)を得るためにの決定打は何になるんだろう.....もっと知りたくなった!
- どこから始めるといいんだろう、ある程度一気に(1機能分くらいを)できると良さそう。そうでないと、違和感のあるライティングになってしまいそうwそれすら意図があればいいかもだけど

ワークショップ自体もすごく有意義でしたが、このようにいろんな職種のメンバーが主体的にディスカッションしながら"UXライティング"にとどまらない"ユーザーとつながること"について深く考えるきっかけができたことがとても意味があったと感じます。

これから

今回はUXライティングの基本をワークショップを通して学んだので、それを実務のあらゆる場面で活かしていきながらさらに発展させてナレッジ化していければと思っています。

今後も顧客と向き合い顧客とつながるためのチャレンジをフットワーク軽くやっていきます!

ではまた!

いいなと思ったら応援しよう!

kim
サポートいただけたら、また発信できるように、本など買っていっぱいinputします!