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褒めすぎた功罪

いいと思って褒めていたら、思わぬことが起きていた。という話。

綺麗な文字に憧れる。

ウェブ系の仕事をしているから..ということもないだろうけど、連絡のほとんどはメールやチャットツールだし、御礼を一筆手書きで書くことはあっても、どうにも字が綺麗とはいえないので、長文はパソコンに頼ることしかり。

ある時、はじめて仕事仲間の手書きメモをみた。とても綺麗な読みやすい字。負けた。別に汚い字を想像していたわけじゃないけど、やはりいい声といい文字は、ワンランクUP。ぐっと印象が変わる。コンプレックスとまでは思ってないけれど、さらっと字が綺麗なのはやはり格好いい。この欲求はクリアせねば。いつかきっと。

その全く実行に移せなかった "いつかきっと" が動き出す時が、今年2021年 突如到来。双子座のなんちゃらなのかどうかわからないけれど、一念発起。只今(知る人ぞ知る)美子(みこ)ちゃんでトレーニング中。一気にやらず有効期間の1年間、時間をかけて続けるのがいいそうで、朝活として毎日15分程度やっては定期的に添削を提出。半年継続中。現在どんなもんかというと、自分が満足する美文字になる道は簡単ではない、ということだけ判明しております。

それはそうと、本題。

羨ましい美文字

かつての同期のO女史。四半世紀以上の付き合い。元々書道をやっていたという彼女は美文字の持ち主。人それぞれ好みはあると思うけれど、なんとも上品でさらりとふくよかな文字を書く。個人的には一番好きな文字。

毎年送ってくれる年賀状。私の4文字熟語はバランスが取りにくいので、宛名をみて毎回惚れ惚れしてしまう。試しにトレーシングペーパーでなぞったりしてみたこともあるけれど、真似できない。

実家にいる時は、娘の年賀状を覗き見していた母親も毎年「本当にOさん、素敵な字を書くね」と言っていた。これを何かのタイミングで本人にも伝えたことがあって、「字は褒められること多いかな、ありがとう」的な返事だったと思う。

まさかの告白

昨年久しぶりに O女史宅に友人と会いにいった。
ワインで結構いい感じに酔いながら、彼女がこんなことを話し始めた。

○○(私)は、いつも年賀状の文字を褒めてくれるんだよね。
だから、○○の年賀状だけ、下書き何枚もしてるんだよー。
もー大変なんだから。
しかも、お母さんも褒めてくれたっていうし。
適当に書いたら今年は腕落ちたね、、とか言われたらどうしようーとか変に思ったりしちゃって。。。

簡単に言えば、嬉しいを通り越して、超プレッシャーになっていたらしい。

えっーーーーと驚いた。とにかく驚いた。さらさらっと書いている(ように見える)文字だし、普段の文字も当然のことながら綺麗だった記憶しかないし。まさかそんなことになっていると思わなかった。

そんな彼女に "やっだぁ"と手をスナップさせつつ「そんな下書きして送ってくれたんだ、極上のやつだったのね」などと脳天気に言ってみたが、これはあまり上手くない返しみたいだった。

褒める・褒めれば・褒める時

そうか褒めすぎ?褒め殺し? してしまっていたのかもしれない。文字について特別な思い入れがある人に。でも本当に素敵なので、褒めるのは私だけじゃないと思うんだけどな。これはモチベーションということで認定できないのか。違うか。いやいや結局つい褒め続けてしまう癖をどうにかしないといけないかもしれない。
とはいえ、きっと来年も年賀状送ってくれるんだと思う。

とりあえず私は、自分の字をどうにかすべく"美子ちゃん朝活"を継続。いつか字が綺麗になったと感じた時は、是非さらりと褒めちぎっていただだければ幸い。しかし道は険しい。


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