「CDを買う理由は?」

ケースを分解するためです。

突然ですが質問です。

ここにある3種類のCDのうち、1つだけ仲間はずれがあります。どれでしょう?

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(タイトルは関係ないのでチラ見えしてる部分はスルーしてね)

これで何を言いたいかわかる方は、きっと同じ穴の狢です。握手してください。

2019年の秋頃、当時CYNHNのメンバーとして活動していた崎乃奏音さんの卒業研究の一環で、とあるアンケートに答えた。結局卒論ではそのデータは使わなかったそうだが、オタクとしてはとても楽しく、そして稀有な出来事で(だって国公立大学に通う推しの卒論に協力できるなんて普通あります????)ルンルンで回答した。

その中に、CDを買う理由を問うものがあった。

CYNHNがアイドルが多数所属する事務所とレーベルで活動しているためか、買う理由の参考例として「特典会に参加するため」が挙げられていたのが興味深いなとも思った。……という脱線をすぐやりたがる癖を治そうね。

そのアンケートでわたしは、選択肢に用意されていた、音楽を聴くため、特典が欲しい(初回限定盤のおまけとか店舗別購入特典とか)、の他に、その他から「CDケースを分解するため」と書いた。ちなみに大真面目に書いているので、そとちゃんマジごめん、とあとでツイートした。それは本人に捕捉された。ほんとあの時は申し訳ございませんでした。

↑当時の謝罪ツイート。奏音さんの鬼エゴサにより捕捉されました

その「分解」が冒頭のクイズの鍵で、ケース分解癖のある人間なら、あれだけの情報があれば「分解すべきCD」がわかる。仲間はずれがどれかというのはつまり、「分解すべきCD」がどれか、という問いなのだ。

さて、どれでしょう?

今年の春、地元の図書館が建て替えられてリニューアル開館した。スタバが入ってるとか外観がお洒落とかいう前情報もあったし、10年以上の紆余曲折を経てすったもんだの末にようやくできた新図書館だったので、ウキウキで探検しに行った。大学生してた6年間は大学図書館に入り浸っていたので、公立かつ一般向け図書館というものも久しぶりで、それもウキウキ探検隊となった理由のひとつかもしれない。

そして、久しぶりすぎて忘れていたが、公立図書館には「視聴覚資料」がある。その中にはCDもあって、そこにはちょうど星野源さんのStrangerが並んでいた。星野さんの音楽を勉強したいと思っていたわたしは「ちょうどいい〜!」とルンルンで手に取った。CDという現物を見て触れるというのはやはり健康に良い、と思いながら。

そこで、気が付いてしまった。「わたしは星野さんの作るCDがほしい人間だ」と。買わねば、と思わされた。

CD屋に行くための交通費(片道)がオンラインで買う時の送料の4倍かかる環境にいる今は、上田で暮らした頃のような「CD屋まで現物を見に行く気軽さ」をすっかり失ってしまった。そして、交通費よりは送料が安いといっても、配信を比較対象にしてしまうと配信に軍配が上がるため、よほどCDを欲しいと思わない限りは配信で買うのがいまのわたしの基本方針である。

なので上田に帰りたいといつも思ってる

だから、図書館で借り物といえどCDを手に取るまでは、「収納場所足りてないし、星野さんの旧譜はのんびり配信で買い揃えればいいかな〜」などと呑気に構えていたのだ。

Strangerはもう返却済みで手元にないので、下手くそな図解で失礼するのだが、こういうCDだった。

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「台座部分が透けないプラスチックで作られている」

このタイプのCD、最近に発売されるのでは割と少ない気がしている。わたしの買ったことある数少ないCDでも、だいたいのCDは、台座まで透明なやつで作って、台座とケース本体の隙間にイラストや写真で作ったデザイン的なものを差し込み、台座という場所もCDケースのキャンバスにしているからだ。不透明なプラスチックの台座はつまり、そのキャンバスをあえて狭くしているのである。

しかしわたしは、この作りには大いに見覚えがあった。なぜならわたしはBUMP OF CHICKENのファンなのだ。ここで察せる方も多いだろう。

BUMP OF CHICKENファンの自分、そしてこれまでの経験。ここから導き出される結論はといえば。





そう分解!!!!


……正直に申し上げますと、CD聴くよりブックレット開くより何より先にケース分解しましたからね、わたし。先に聴け。

とまあ経験から直感が働いて分解してみたら、もちろんそこにはボーナス要素が隠されていて、おかげで「ぬるいこと言ってられないじゃんこの人の沼も!!!!」という事実に気がつき、CDラックの容量(すでに98%ほどが埋まっている)を見ながら途方に暮れている。後日フルアルバム全て借りてみましたが、見事に全部こうでした。してやられた。(YELLOW DANCERとPOP VIRUSは、中心の穴部分から一部が見えるようになってたので、新規向けの手厚い福利厚生!つってはしゃいだ)

 10周年記念シングルBOXだってほしいのに(特典にANNのジングルが収録されていると知っていつか買うリストへ)、アルバムまでこんな仕掛けされたらもうどうしようもないんですけど。どうしよう。

ということで、クイズの答えは左端のCDでした。これだけ台座が透明なのです。

ちなみにCDは左から

MODE MOOD MODE/UNISON SQUARE GARDEN
orbital period/BUMP OF CHICKEN 
POP VIRUS/星野源

なので、タイトルを明かしてしまうとPOP VIRUSが仲間はずれとも取れる(ユニゾンとBUMPは同じレーベル)し、さらにリリース年を考えるとorbital periodが仲間はずれとも取れる(それ以外2作品は2018年)構成でもありました。だからあえてタイトル関係ナイヨーと書いたわけです。ぽっぷういるすチラ見えしてたし、MMMは割と珍しい配色だと思うので気付く人は気付くかもなと。

……なぜそんなややこしい構成を選んだのか?好きだからです!

しかし、分解癖があることで突き落とされた沼って何なんだろう。冷静になると意味がわからない。

追伸:わたしが『不思議/創造』を(表題曲2曲は単発配信で買っているにもかかわらず)秒で予約したのもこの辺の「フィジカルリリースで遊び切る姿勢」がけっこう決め手になってます。田淵さんのいつぞやの言葉のニュアンスを拝借すると、「音楽を楽しむ安くて便利なものが世に溢れる現代においてもなお、わざわざ高くて不便なCDを買ってくれる物好きがいるのなら、買ったやつがいちばんいい思いをするようにCDを作る」という姿勢。ユニゾン(メンバーの別名義活動含む)やBUMPやLiSAさんに感じてた同じものを星野さんのCDにも感じてしまったから、買わない選択肢なんて無かった。

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