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FAR2021(5)を読む

ちょっとこちらの方の紹介が遅れ気味になっていますが、
最新号のForeign Affairs Reportのご紹介を。

今回やはり強調すべきは、
・ COVID-19
・ PCR
・ オリンピック
上記のどの論文もなかったことです。

唯一あったのが、グローバルヘルスについての論文で、
それもCOVID-19ではなく、より広いグローバルヘルス対策の未来についての
論文です。

COVID-19については、ある程度やるべきことは出尽くしたので、
あとはワクチンを打つだけ、というゾーンに入ったということでしょうか。
(日本もそろそろ情報の密度という点で追いついてほしいです)

さて、今回唯一あった公衆衛生系の論文は
「変貌するグローバルヘルスの統治構造」という論文です。

https://www.foreignaffairsj.co.jp/articles/202105_jha/

これまでアメリカ中心に行われてきた援助モデルが役割を終えつつある、
という内容です。

具体的には、NGOアクターや民間アクターの出現によって、求められている役割が変わりつつあるという内容でした。
ビル・ゲイツの財団がグローバルヘルスに対して大きな影響力を行使しているのは皆様もご存知のことと思います。
他にも、noteで何度か取り上げたCOVAXも民間の財団や政府による連合によって作られた枠組みでした。
アメリカという巨大なパトロンがすべてを解決する、という方法は徐々に終わりに向かっているようです。

しかし本論文で特に驚いたのは、その点ではなく、アフリカにおける公衆衛生に関する能力の高さです。
2017年にCDCを設立したことを皮切りに、
2018年にはエボラ出血熱対応の支援を、
2020年には新型コロナウイルス感染症対策、医療物資配給を、
同年共同研究ANTICOVを立ち上げるに至っています。
(果たして日本が、あるいはアジアが、これほどに迅速な対応をできるでしょうか、、、。)

WHOが米中の衝突の中で翻弄されている一方で、アフリカがこれほどの成果をあげていたことは驚嘆するばかりです。


今後、世界のグローバルヘルスがどのように変化していくか、
引き続き注視していく必要がありますね。

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