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2020/9/7 数学の実社会への応用2

数学は好き嫌いがかなりはっきりと分かれる学問で、
好きになるタイプの人は、パズル好きで式をただ弄っているだけで楽しい人から、これは役立つなぁ、というタイプの人まで様々です。
嫌いになるタイプの人は、「で、何なのこれは?」と思っている人が結構な数いるのではないかと思っています。
英語は実社会でいかにも役立ちそうなのでがわかりやすいですが、logとかtanとか、一見すると実社会には役立たなそうです。

こんなことを考えたのは、さきほど3^30は何桁の数かという問題をみたからなのですが、それはまぁこういう問題の出され方をすれば、「で、これがわかったから何だというわけ?」となるのはなんとなくわかります。
(ちなみに私はlog10を使って、30 x log10(3)という解法を初めてみたときは感動したので、こういうのは感性の問題なのでしょう)

例えばですが、こういう問題の出し方をしたらどうでしょう?

日本には1億人の人が住んでいる。
これら全ての人に、0と1の組み合わせでできる数字を振り分けたい。
例)7桁:1010101、9桁:011011101
このとき、1億人に重複なくこの0と1の組み合わせでできる数字を割り振るためには、何桁の数を用意すれば良いか

こう問題を出されると、なんとなく、意味がありそうな問題に見えてきます。
次に出てくる疑問は、「で、これ本当に使うの?」ということですが、
例えばIPアドレス、これは0と1の組み合わせでできる32桁の数字です。
すなわち、IPアドレスは2^32 個の組み合わせでできているわけです。
(2^32は、32 x log10(2)の小数点以下を切り捨てた数に1を足した桁数になります)
これが1億人に対応するかどうかは、1億人は9桁の数字ですから、計算してみれば求められますね。

他にも、ギャンブルでも使えます。

あるサッカーくじは10試合の結果をランダムに0,1,2で割り振って、それがすべて当たれば当選となる1等しかないギャンブルです。
今回、1等に当選したら賭金が100万倍になって返ってくると言われました。
さて、このギャンブルは得か損か。

これもlogが使えますね。
3^10が100万より大きいか、小さいか、さえ分かれば良いので、
100万は7桁の数ですから、
3^10が7桁以上か、7桁未満かさえ、分かれば良いのです。

ちなみに、電卓つかえばいいじゃん、というのは数学に対する禁忌肢です
そうではなくて、自分で計算して、「あぁたしかにこうなる」となるのが大事なので、そういう視点でみてみると良いですね。

そもそも数学というのは土地の面積を求めるとかギャンブルに勝つためとかものすごく実社会に基づいた疑問から生まれた学問なのですから、中高で学ぶ程度の知識が実社会に役立たないわけがないのです。

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