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『Moulin Rouge!』NYブロードウェイ観劇記録レポート①

Moulin Rouge! The Musical

観劇日:2020/2/27
会場:AL HIRSCHFELD THEATRE

2001年に公開された映画「Moulin Rouge!」が元となっており、2019年7月から公演されている新しいミュージカル。

ムーランルージュとは
パリのモンマルトルにある世界最古のキャバレー。ムーラン・ルージュとはフランス語で赤い風車という意味。世界中から選ばれだ美男美女ダンサーによる洗練されたショーは大人気。大迫力のフレンチ・カンカンを観ることができる。

Moulin Rouge!はジュークボックス・スタイル

パリのムーランルージュが舞台のこの作品。
特徴はジュークボックス・スタイルと呼ばれる既成の曲を使ったミュージカルだということ。『マンマ・ミーア!』や『ジャージー・ボーイズ』など、特定のアーティストの曲を使用するミュージカルとは一味違う。
ビートルズからレディー・ガガまで往年のポップミュージックを大胆にアレンジし、そのままの歌詞で話が進んでいく新しいスタイルのミュージカル。沢山のアーティストの曲が使用されている。
その曲数なんと74曲(PlayBillより)
そしてその曲たちの共通点は「ラブソング」ということ。(ラブソングじゃないものもあるけど笑)
沢山の曲がマッシュアップされ1曲になっていたり、洋楽好きにはたまらない作品となっている。
ここではあえてあらすじは説明しません。映画のお話に基本的には沿っていますがミュージカルオリジナルのシーンも沢山。映画からそのまま引き継いだ曲もありますが、沢山の洋楽たちがこの作品を彩っています。

詳しく知りたい方は日本語でも情報たくさん載っているので是非調べてみててください!!
あらすじや英語がわからなくても理解できて楽しいシーンがたくさんあり、切ないシーンもあり....最後には😭そんな作品です。

会場の雰囲気が凄い

会場に入るとパリにある本物のムーランルージュに迷い込んだようなセットの作り込み。左右に大きな赤い風車と大きな像のオブジェ。舞台だけではなく客席まで赤と黄金で埋め尽くされていた。総制作費38億円(楽曲使用量も含む)とも言われている今作品。装置も衣装も細かいところまで豪華です。

このお話の時代1899年に合わせた衣装を着たキャバレーで働く男女が開場中ゆっくりと現れる。ポーズをとったり技を披露したり、ボックス席ではお酒を飲んだりお話をしたり、この雰囲気にまずはやられた。
(開場中はキャストが舞台上にいるため撮影禁止。休憩中、終演後はOKみたい。上演中はもちろんダメ)

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キャストについて

Satine役のKaren Olivoの歌声は迫力と声量と演技力を合わせ持った女優さんだった。これはすごい圧倒。43歳だときいてまたビックリ。
Christian役はAaron C. Finley。(オリジナルキャストのAaron Tveitはバケーション中でアンダースタディーが演じていました。)
アーロン同じ名前なんだね。出来ればオリジナルで観劇したかったけど、アンダーだと感じさせない素敵な歌声でした。

変形自在のセットが凄い

あの凝りに凝ったキャバレーの世界観の舞台セットは据え置きなんだろうなと思ってたらそんなことはない。一瞬でガラッと廃れた街並みにも劇場裏にもSatineの部屋にも変化する。これは凄かった。

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音へのこだわりが凄い。音が良いミュージカル

そして何よりも音が良い。ブロードウェイで初めて観た作品だったがこの作品を超える音はなかった。ブロードウェイのほとんどの公演はDiGiCo SD7をメイン卓として使用しているがムーランルージュはAvid S6Lを使用。ミュージカルでS6Lを使ってるのは初めて観たかも。
ライブのようなシーンもあり、しっかりミュージカルや芝居になるシーンへガラッと変えたり、メリハリがはっきりしているサウンドデザインだ。
サイドスピーカーやリアスピーカーからコーラスを出して臨場感を加えたり、様々な音響効果をちょっと大げさに駆使する演出も垣間見ることができた。サウンドエンジニアのこだわりがたくさん詰まっている。

生演奏のミュージカルだが演奏者の姿はみえない。

本来オーケストラピット(オケピ)がある位置にはカンカン席(Can Can Seat)が設けられている。銀橋もあるので、かぶりつきで観劇できる席だ。
指揮者のみオケピの隅にいて、他の演奏者は舞台裏の防音室の中で演奏をしている。

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生音はほぼ聴こえてこない。
では何故生演奏なのか。

キャストの「タメ」やタイミングを合わせることが必要だからだ。
その為だけに生演奏といっても過言ではないだろう(笑)
贅沢な使い方.....
勿論生演奏な理由は、あの感動と一体感を生むためでもある。
完璧なクオリティーの演奏でサウンドトラックCDの更に迫力プラスバージョンといったところだろうか。

バンド、歌唱力、音響、音に関する要素はこの作品の世界観に惹かれる魅力の一つでもあった。

YouTubeでオープニングナンバーを

セットのクオリティー、歌唱力、誰もが聴いたことがある名曲を使った新しいミュージカルをご覧ください!

平日の昼間にも関わらず多くのお客様で賑わっていたこの作品。
2020年のトニー賞に期待!

2020.03.14
Sota



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