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ぼっちと映画

何を隠そう I’m a ぼっち。
かと言ってぼっち界のトップを取ることもできないハンパぼっちですが、そんな私にも映画鑑賞という趣味があり、ぼっちなりにウハウハ楽しんでいるのです。

アマプラ漬けの日々

大学生、時間も趣味もあるが友達がいない

めでたく高校を卒業した当時の私は県外の大学に進学しました。
しかし同じ大学に進んだ友人がいないどころか、ほとんどが地元に残るか大都会TOKYOに出るかしていたので、近くに知り合いが誰もいないという状況に人生で始めて置かれたのです。

大学が始まっても、授業が終われば秒で帰宅していた私には当然友達らしい友達もできず、バイトすらもしていなければサークルや部活なんてハナっから入る気がなかったので、友達どころか知人すらハチャメチャに少ないまま学生生活を過ごしていました。

時間こそあるけど友人がいない、さらには一人暮らしを始めたせいで、今までは家で家族と一緒にいた時間も一人で過ごすことになるという、一人が苦手な人からしたら即座に発狂するレベルのお一人様生活をしていたワケです。

しかし残念ながら私はぼっち耐性が高かったどころか、むしろ一人でいることに興奮を覚えるタイプの変態でした。
なので、ゲームやら音楽やら読書やら、とりあえず自分が好きなことを思う存分楽しめるという状況にウホウホしておりました。


近くに映画館がない

そんなウホウホタイムを続ける中、そういや最近映画を見ていないなという事に気がつきました。
昔から映画鑑賞は趣味の1つだし、ちょうど近くに某ショッピングモールもあるし、そんなら中に映画館もあるやろ!行ったろ!


ありませんでした。
かくして私の小さな夢は打ち砕かれ、ポップコーンのあの匂いに思いを馳せながら枕を濡らす日々が始まりました。


アマプラとの出会い

しかしここで私は、過去に入会していたAmazonプライムの存在を思い出します。
確かコレに入会してると映画が見放題なんじゃなかったか?という浅い知識を基に調べると、ありましたありました、Prime Video。お前をずっと探していたのだ。

そこからはもうアマプラの沼にどっぷりと浸かり、朝起きてアマプラ、登校の時間になるとまだ見ていた映画が終わっていないとブチギレながら学校へ向かい、帰宅してアマプラ、ご飯を食べながらアマプラ、レポートを書きながらアマプラ(2時間で10文字ほどしか進まない)、寝る前にアマプラと、狂ったように一人で映画を見続ける毎日がやってきました。
見た映画の感想を、スマホのメモにザカザカ書き残すなどということもやっていました。


映画を一人で見るメリット

さて、そんな感じで映画狂になった私ですが、一人で映画を見ることのメリットをボンヤリ考えていましたので、以下にボンヤリ記していきましょう。

・何思っても考えても自由

そりゃ何を思うか、考えるかは個人の自由だろといった感じですが、それをひとたび他人に表現するとなれば話は別ですよね。
人と映画を一緒に見ると何が起こるか、そうご名答、感想の言い合いです。
映画終了後、「あの場面良かったよネ~!」「アレってこういう意味だよネ~!」などという評議会がそこかしこで開かれているのを見たことがありませんでしょうか。
人と映画を見たが最後、あまりにも自然な流れでそれに巻き込まれてしまうおそれがあります。

私はたまに1人で映画館に行きますが、それでも他のお客さんの感想を無意識に聞いてしまい、例えそれが自分の意見と違っても「アあのシーンはそういうことなんだ...私が間違っていたのだ…愚かな…」と、意味不明な自己否定に走ってしまいます。
他人の意見がトンデモなく崇高なものに思えてくるのですよね。

別に感想の言い合いぐらい良いだろうがボケナス、と思われるかもしれませんが、私のような人付き合いド下手民からしてみれば、あの空間はかなりの苦痛を伴います。
自分の感想を披露しようにも、まだ上手く言語化できていない部分も多くて伝えにくいというか…

しかし一人で映画を見れば、そんな空間に身を置くこともなくなりますよね。
自分が抱いた感想は自分のものにしたまま、映画の世界に浸ったまま自分の世界に籠もれますよね。
誰にも邪魔されず、ホンマに好き勝手な感想を持てるってステキやないですか!
鑑賞後に余韻に浸る時間を含めて、「映画鑑賞」だと思っています。


 ※万一ぼっちに友人ができたら

  万一友人ができ、先ほど書いたように感想を言い合う流れになってしま       
  ったら、ぼっち諸君はさぞかし狼狽することでしょう。
  一緒に映画館に行く仲にまで漕ぎ着けたとしても、鑑賞後にその友人の 
 口から飛び出す感想の数々に圧倒される
可能性があります。

    友人の「このシーンおもしろかったよね!」「自分だったらあの場面で             
    はこうしたな~(笑)」に対して「オモシロカッタネ!」「ソウダヨ             ネ!」と、友人の言うことに全て肯定するbotに成り下がってしまうので       はないでしょうか。

    結局、社交に苦手意識がある人は映画を「家で」「一人で」見ることで、     
  最も自由な鑑賞ができると思っています。   

  ただ、映画をテーマにすると会話が盛り上がりやすいとも思います。
  友人間で集まったときに話すことが無くなった経験、皆様にもあるのでは         ないでしょうか。
 その時に満を持して、「そういやゴジラの新作ってさ~!!!」とか切り      出してみましょう。
 この時できるだけ話題の最新作(CMでよくやってるようなヤツ)を議題       に出すことで、映画に興味の無い人でも多少は乗ってくれます。


・映画で感情を動かせる

長いことぼっちを謳歌していると、次第に感情の動きが鈍くなってきませんでしょうか。
ぼっちは他人の感情に触れる機会が少ない上に、特にひきこもりがちになると大体いっつも同じような事をして過ごすので、感情の動きが平坦になるというか、激しい起伏がないんじゃないかと勝手に思っています。

実際に私もそうだったのですが、これじゃあまりにも無機質というか、虚ろな人生だナと思い始めたので、ほんなら映画で足りない感情を補おうとした次第でございます。
私のように、実際に何か行動して体験することをめんどくさがるものぐさ人間にはオススメの方法です。

映画を見て笑って泣いて時にはキレて。
普段自分じゃ体験できない出来事に映画を通して触れ、追体験をすることで感情をいろんな方向に動かせるんじゃないかしらと思っちゃったりして。
開放的なコメディ映画の後に続けてダークな重い映画を見たら、感情が乱高下して自分でも笑っちまうので是非試してみてください。
『スクール・オブ・ロック』からの『ダンサー・イン・ザ・ダーク』とかでどうでしょう。


・VODだとながら見ができる

一人で映画を見るためにわざわざ映画館に足を運ぶのはクソダルい、という出不精の方には、VODがオススメです。
私が愛用しているアマプラのほか、U-NEXTやNetflixなどいろいろありますね。
コロナが流行しだしたあたりからは、映画館でというよりもむしろVODで映画を楽しむ人の方が多くなってきたとかなんとかかんとか?

VODを用いてソロで映画鑑賞となると、こりゃもう完全に自由なワケです。スマホをいじりながら、騒音や匂いを気にせずに菓子を貪りながら、ペットと戯れながら映画を見るなんて、映画館じゃできませんよね。
満天の星空の下、ソファーでアールグレイを飲みつつ寄ってきたチベタン・マスティフを撫でながら『僕のワンダフル・ライフ』でも見てみればホラ、お手軽に貴族気分。
ちなみにチベタン・マスティフは最低でも100万ほどするみたいです。


映画を一人で見るデメリット

とはいえやっぱ一人で映画鑑賞をするデメリットと言いますか、こういう面もあるよな~というものも思いつきましたんで、書いてみましょ。

・感想の気軽な共有ができない

感想を言い合うことに苦しめられた私は、感想を言い合えないことにも同時に苦しめられました
映画の構成がどうとか込められた意味がどうとか、そんなご大層な話にはならない「ア~おもしろかった~」とか「主題歌カッコよ~」とかの軽い感想をパッと共有する相手がいないというのは、チョットだけ寂しい気分にもなったりします。
気の合う友達と映画を見て、しょうもない感想を散らかし合うのもそれはそれでオモロいかもしれません。

となると、ぼっちの強い味方になってくれるのはインターネットになりますかね?
自分以外の意見に触れたいとなれば、SNSだとかレビューサイトだとかを巡ることでその欲を満たせるでしょう。
もちろん自分の意見を投稿するのもグレートだと思いますが、調子こいてキツめのことを書かないようには気を付けたいですね。


・意見が凝り固まる

一人で映画を見て、一人で感想を頭の中でこねくり回していると、段々意見が凝り固まってきます。
映画に限った話ではないですが、自分の意見を発信したり他人の意見を見聞きしたりしなければ、当たり前ですが頭の中には「自分の」感情やら思考だけが堆積していくことになりますよね。

自分だけの価値観・考えを確立していけると言えば聞こえは良いですが、他の意見を受け付けなくなるという危うさも孕んでいるのではないかと思います。


1人で行く映画館の良さ


映画館の雰囲気が好きならオススメ

アマプラにハマって以来、映画を見る際は大体家でゴロゴロしながら楽しんでいた私ですが、一人で行く映画館もなかなかオツなものだと思っています。

入場開始時刻などのアナウンス、幕間の時間に流れるCMやら予告映像、照明が消える瞬間のワクワク感などなど、映画館に行かずしては体験できない要素もた~くさんありますよね。
その他にもコンセッション付近のスナックの匂いや大画面大音量で鑑賞する迫力など、そういった映画館の雰囲気が好きならソロ映画館はマジでオススメです。


オモロイ出会いがあるかも?

映画館ってのは老若男女いろんな人が立ち寄る場所だと思います。
一人で来ている初老の男性もいれば、腕を組みながらキャイキャイ話しているカップル、ポップコーンを抱えた子供(たまに床にぶちまけている)を連れた家族、おそろいの制服を着た女子高生たちなど、人間観察に事欠かない程多くの人がゾロゾロと訪れているのを見ますよね。

そして、一人で館内をフラついていると、あまり高頻度ではないですが他のお客さんから話しかけられることがあります
とは言ってもまあ大体が「コレ落としましたよ」とか「この席どこかわかります?」みたいな、英語ならExcuse me?とかで始まるようなちょっとした会話でしかないですが、私は案外こういうやり取りが嬉しいのです。

中でも席の場所を聞かれることはちょくちょくあるのですが、『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』を見に行ったときに、同じく一人で来られていたおばあちゃんから話しかけられたのが印象に残っています。
私の着席後にそのおばあちゃんが話しかけてきてくださり、どうやらチケットに書いてある席の場所がどこかわからないとのこと。
でチケットを見させてもらうと、どうやら私の隣じゃないか。
ワーオ運命!神に感謝(十字を切る)
この後映画に関して少しお話することもできました。
穏やかで可愛らしいおばあちゃんでホッコリしました。

こういったように、意外な出会いもあるもんです。
用も無いのに自分からムリヤリ誰かに話しかけなくても、ちょっと席を聞くぐらいならということで、その誰かの方から気軽に話しかけてもらえるのが良いところですね。
つまり、そこの口下手なアナタも美少女に話しかけられる可能性があるということです。ウヒョヒョ!


まとめ

ぼっちは映画を見ると良い!

ぼっちと言いますか、人付き合いが苦手な人は映画との親和性が高いと思います。
単純に一人でも十分楽しめる趣味だということもありますし、話のネタにもなりやすいです。
もし他人と世間話をせざるを得ない状況に置かれてしまったとしても、映画に関する話を提供することでその場を乗り切ることは出来ると思います。

ぼっちでいるということは、自分の価値観や考えについて深く向き合える時間が多くとれるということでもありますよね。
そんなぼっちが一人で映画を見ることで、完全にオリジナルの独創的な観点で鑑賞することができると信じています。
ぼっちは可能性の塊です。
そう信じていないと私が死んでしまいそうなので

ということで、全世界のぼっち、いやぼっちじゃなくてもいい、みんな映画を見よう。
己から湧き出る新たな感情や価値観に気づくため、そして美少女とお近づきになるためにも。

                              ~完~


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