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指導者への謝礼どうしていますか問題

音楽家は殆ど収入がありません

 ご存知の通り、音楽家の収入が激減しています。個々足掻いていますが、今「生活を支えるほどの何か」を実現している人は居ないような気がします。いるのでしょうか。
 Youtube配信、Zoom等での遠隔レッスンの模索、note執筆といったアウトプット作業をしたり、知識の整理、新しい分野への挑戦といったインプット作業をしたりしながら、元の音楽生活に戻れることを祈る気持ちで貯金を喰い潰しています。

合唱団側の悩み

 このような状況の中、「指導者やピアニストの支援をしたいけれど、練習の実態がないと支払う名目も立てにくいし、集金も出来ないとその費用もない。どうすれば良いか」という相談を受けます。私は指揮者と団運営の両方の立場を持っているから、忌憚のない話を聞きやすいようです。
 勿論、私が直接的な答えを出すわけではないですが、自分が運営の立場でどうしているか、自分が指揮者の立場でどういう対応をされているか、他の団から聞いた話、などをお伝えしたりしています。この内容を記事に纏めておこうと思いました。
 なお、サンプル数は17です。

どのような対応をしているか

(1)何もしない
 指揮者としては残念ですが、この選択肢が最も多いです。先に述べた状況から、対応を見出すことが出来ないままでいるのは仕方ないかもしれません。特に今回は先が見えない事から、中途半端に対応してしまうとこじれてしまう恐れも理解できます。

(2)何割かを補償する
 「通常時の半額」など、割り引いた額での謝礼を補償するもの。体力(貯金)がある団体や、回数が少ない(月1回など)でしか対応出来ないかもしれません。可能な状況であれば最初に選択肢に挙がるでしょう。
 
(3)カンパ
 支払う名目が立たなくて団会計からの支出が難しい場合は、カンパは比較的検討しやすい内容です。問題点としてはざっくり2つあって、カンパの集まった額が少なすぎると逆に失礼になりそうなのと、長期戦になった場合に何回カンパするのかという心配があります。また、相手の性格によっては「貯金が無いと思われている」と怒ったり悲しんだりするかもしれません。

(4)現状で可能な仕事を依頼する
 「音取り音源の作成」「ネットを利用した遠隔レッスン」「今までの練習のポイントを纏めて記事化」などの仕事を依頼します。
 対価を払う名目があることは何もなしに補償するよりも支払いやすいし、甘やかさないことも大切かもしれません。指導者側の得手不得手もありますから、期待した成果物が上がってくるようなものを依頼しましょう。

(5)前払い
 数カ月先の分の謝礼を前払います。音楽家は今「一気に収入がない」状態なので、一時的な生活費が厳しい場合にとても有効です。
 会計にある程度の体力があることが前提で、カンパ同様に「貯金が無いと思われている」と感じさせないことと、貰い逃げされないような関係が必要です。

どの方法を取るのか

 指導者と合唱団の関係性に拠るものなので、団の数だけ正解があるのだと思います。上手く調整して、お互いがWin-Winの関係を築きながらこの困難を乗り越えていきたいものですね。また、みなさまが採用している案などありましたら、コメント欄にお寄せください。
 
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