表現者としてここまでやるぞ 「SP」の時の岡田准一くん

【四半世紀のアイドルファンが想うこと★V6★ vol.100】


何か新しい役目や仕事が回ってきた時、そのプレッシャーや緊張感でやりこなすだけで必死だったり、潰れそうになったりすることがあるかもしれない。


もう15年ほど前になるが、岡田准一くんの代表的なドラマ「SP」が放送された(2007年)。
岡田くんのアクションが いかんなく発揮された。

脚本の金城一紀さんによるオリジナルで、岡田くんは1年以上前から体作りを行って備えた。
岡田くんのトレーニングはなかなかだ。

まず、負荷の軽いトレーニングを3カ月間位やって、そこから徐々に重くしていって。もうね、本当に部活だったよ(笑)。坂道ダッシュから始まったからね。(中略) 18度の傾斜の坂を10分ダッシュ!一度スピード落として、そしたらまたダッシュ!とか。
(「POTATO」2007年11月号)

これを読んで、サッカー日本代表の長友佑都選手を連想した。
体幹が強いので有名だが、坂道ダッシュをたくさん行っていた。八丈島でトレーニングしていた時は、ダッシュを繰り返していた坂道が有名となって、長友ロードと呼ばれる。ヨーロッパの有名なチームに移籍した時は、チームに坂道ダッシュ用の坂道をわざわざ作ってもらった。

練習回数とか時間などは単純に比較はできないが、アイドルが坂道ダッシュで鍛えたという話は寡聞(かぶん)にして知らない。


また、高負荷で休んでまた高負荷で、という運動は、HIIT(ヒット)という運動を思い起こさせる。HIITは、20秒の高負荷の運動と10秒の休憩を8回繰り返すというもの。高い運動効果が得られるとされる。
岡田くんの10分ダッシュでスピード落として、というのとは時間が違うが、高負荷と休憩を繰り返すという部分は同じだ。


岡田くんは、「SP」という新しい仕事のために、そのプレッシャーや緊張感のもと、アスリート並に自分を鍛え上げた。
放映されたドラマでのアクションは見事だった。私の目からで恐縮だが、美しかった。
この作品は、岡田くんならアクションという世間のイメージを作った代表的な作品となった。


岡田くんは、単純に自分を追い込んだだけではないだろう。いい作品を作りたい、見る人にいいものを見せたいという想いからだったかもしれない。ただ単に自分だけのことを考えてたらここまでのことはできなかったかもしれない。
この時V6としてデビューして12年経ってる(1995年デビュー、2007年「SP」)。積み重ねてきた表現者としての矜持が、この時の岡田くんにここまでさせたのではないかと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?