主演が数字持ってる持ってない論は意味がない~ドラマのネット再生数がしばしば視聴率を圧倒する時代

【四半世紀のアイドルファンが想うこと★V6★ vol.212】:土曜更新


推しの三宅健くんも、元V6のメンバーも、ドラマに出ることがしばしばある。

そして、アイドルやタレントさんたちが避けて通れないのが視聴率。

ドラマの視聴率がイマイチだと、主演の俳優さんやアイドルが数字を持ってないとか言われることがある。

しかし、最近はネットのおかげで視聴率絶対とは言えなくなってきた。

例えば、三宅健くんや元V6メンバーの作品ではないが、おととしの目黒蓮さん(Snow Man)の主演ドラマ「silent」の平均視聴率は7.6%で、すごく高いまでは言えなかった(2022年10月6日から12月22日まで、22:00 - 22:54。フジテレビ系 )。
しかし、Tverでの配信再生数がものすごかった。一話平均600万回近い再生回数を記録した。これは、ゴールデン・プライム帯で放送される連ドラがだいたい100万~200万回程度で、過去最高記録だった「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ系)が約300万回だったというのを考えれば、最高記録の倍という驚異的な記録だ。

私もそうだが、テレビをリアルタイムで見ることはほぼない。そしてそれを録画であれテレビ画面で見るかと言うと、TverやNHK+で見れるならそちらで見る。時間がリアルタイムな放送時間に影響されないからだ。
TverやNHK+は一週間の見逃し配信という期間限定ではあるが、リアルタイムで見る必要がないので、相当に生活の自由度が増す。

それに、ネットだと早送りがかなり自由自在だ。個人的には、字幕が付けば2倍速でも十分内容はわかる。感情移入したいときは倍速を落として見たりするのも自由だ。

確か現役アイドルは出てなかったと思うが、昨年の日本テレビ系のドラマ「ブラッシュアップライフ」(2023年1月8日から3月12日まで、22:30 - 23:25)は、世帯視聴率は平均は6.2%だった。放送時間帯がド深夜というわけではないことから芳しい数字とは言い難い。
しかしこれも驚異的なのは、そのクール(2023年1~3月期)に配信された全番組の「番組再生数ランキング」において、合計3072万回で堂々の1位。2位が2135万(TBSテレビ金曜ドラマ『100万回言えばよかった』)であることを考えれば、その数字は驚異的だ。

また、V6メンバーと仲がいい松本潤さんが主演の昨年の大河ドラマ「どうする家康」も、大河ドラマ的には視聴率はイマイチらしいが(関東地区の全話世帯平均視聴率11.2%で大河ではワースト2位)、最終回(未集計)を除く平均視聴ユニークブラウザ数(同一ブラウザによる視聴者数。UB)が25万1000UBで、歴代大河ドラマで最多だったと発表されている。
Tverの再生回数と比べると一見少なく感じるが、UBが同一ブラウザので、Tverはそれに関係ない集計だとすれば、NHK+とTverの数字を単純比較はできない。ただ、NHKにおいて歴代の大河ドラマで最多というところは重要だ。
更に、私は徳川家康公が好きで毎週欠かさず見てX(旧ツイッター)も見てたが、毎週「どうする家康」がトレンド一位で、めちゃくちゃ盛り上がってたぞ。

視聴率の報道で、いつも何だそれはと感じてしまうのが、低い時の「主演数字持ってない」論だ。
ドラマは、言わずもがなたくさんの関係者による共同制作だ。いい本があっていい演出があっていい演技があって、それを支えるカメラワーク、世界観を作る大道具や小道具などの準備など、関係者は数えきれない。その皆様の結晶がドラマだ。
もし短絡的な「主演が持ってる数字」論がそうだとしたら、テレビ画面に主演の写真だけを時間中ただずっと映しておけばよいではないか。主演のアイドルやタレントだけの数字論が当てはまるなら、それで視聴率が取れるはずだ。

ドラマは、多数の関係者による共同制作だ。ヒットしなくとも名作と評されるものもある。それが報道で短絡的に「主演が数字持ってない」と報ずるのはいかがなものかと感じている。
特に、現代はもう視聴率のみでは当てにならない。テレビ離れ、TverやNHK+の発展を見ると、将来的にも視聴率は全体でどんどん下がる一方だ。もちろん視聴率もいいことに越したことはないが、視聴率が低い時にネットの再生数を全く考慮せず主演や作品を評価するのはあまりに偏り過ぎだと感じてしまうのだ。

短絡的な「数字持ってない」論よりも、時代を反映したなるべく正しい数字で評していってほしいところである。

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