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卒業論文 終章「終わりのない旅」


 本稿において社会運動を「社会のある側面を変えようとする試み」であるとした。ここで社会運動の成果というとき、実際に意図したところの変化があったかどうかに焦点が向きやすい。極端に言えば、その運動が大きな広がりを見せ、あらゆる人々と連帯し、長期的に続いたからと言って、望み通りの変化を得られなければ成果はなかったと見なされ得る。その意味で、私たちのネット社会運動はわずか数日のうちにスマホ一つで政府の方針転換という目に見える成果を上げたので非常に「コスパ」の良い運動であった、と言えるだろうか。筆者は、このネット社会運動が見過ごしてきたものに、運動による成果(パフォーマンス)以上の費用(コスト)を感じた。筆者が抱いた課題意識とは、実際のネット社会運動がそうした社会課題を素通りして、短命に終わったところにあった。インターネットを利用した「組織なしに組織化できる力」によって、個人であっても社会を動かすほどの影響力を持ちうるが、あくまでも「社会」の運動ではなく「個人」の運動として幕を閉じたという点に可能性以上の危うさがある。それは、私たちの日常が待たなくてもよい、待つことができない「前のめりの姿勢」へと化しているためであり、その上でネット社会運動への期待が高まる現代に警鐘を鳴らすことが狙いであった。そこで筆者が提案するのは「待つ」ことである。それは、「前のめりの姿勢」が行き過ぎた現代社会で生きる個人が、今一度「社会」を実感するための手掛かりであり、「大衆のアヘン」として社会運動を空虚なものへしないための試みである。以下、最後に近年私たちのように学生が主体となって社会に大きなインパクトをもたらせたSEALDsの事例についてみながら、筆者が描く社会運動の在り方と、その意義について述べて締めくくりたい。
 同じくSNSやYouTubeを巧みに利用して情報を発信しながら多くの人々を動員したSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)は、2015年当時、国会で採決されようとしていた安全保障関連法案(安保法案)に反対の声をあげたが、その強行採決を止めることはできなかった。この結果に対する彼らの運動への評価は様々であるが、運動を指揮していた奥田愛基は高橋源一郎との対談の中で「止められなかった=負け」という見方に批判をしている。彼は「何もしなかったとしたらどんな現在だったのかと考えてみる必要がある」と言い、高橋は丸山眞男を引き合いにしつつ、「勝ちとか負けとか二分法で考えているのがおかしい。…(中略)反対運動が起こらなければ、法案は何の問題もなく施行できてしまう。逆に大きな反対運動が起こると、当局は、その法律の運用に慎重にならざるを得ない。だから反対運動が強ければ強いほど、その法案の実効性は失われていく。」として⁵⁶、まず声をあげることそのものの意義を指摘しつつ、その上で社会運動を「勝ち」か「負け」か、で捉える見方を批判している。仮に「勝ち」か「負け」か、で運動を捉え、運動体の望む形での変化を求めることに注視していると、運動そのものが勝負となり、自分たちの声に賛同しない声に敵対的になってしまうが、それでは運動は絶えず分断を生み出す存在となってしまう。肝心なのは、ここで期待通りの成果が上がらなかったから「負け」と思うのではなく、この運動もまた社会をより良い方向へ向けていくための一石に過ぎないとして、運動を未来へ向けて継続していくことである。奥田らSEALDsのメンバーは、大勢の人たちが国会の前に集結し、自分たちの意見を表明した当時の運動で「民主主義ってこれだ(“This is what democracy looks like”)」と表現し、ここで人々が民主主義を実感した意義を述べる。と同時に、奥田はそれをもって、安保法案が採決され、平和安全法制関連2法が成立(2015年9月19日、同30日に公布)し、施行(2016年3月29日)した今日においても引き続き政治を監視していくことの重要性を唱えている。
 社会運動とは、特定の変化を成し得たら終了するものでも、ましてや誰かを負かすような勝負事でもない。それは現存の社会課題に対する批判をぶつけることでありながら、同時にそれゆえに生じる矛盾や否定や葛藤を受け入れて、それでも「より良い社会」へのあくなき希求をするような、「終わりのない旅」である。この「旅」においては避けることのできない矛盾や否定や葛藤と向き合うことが求められる点で、個人にとってはもちろん苦しみも伴うであろう。だが、奥田や高橋が言うように何かに対して「反対の声をあげること」そのものによって、社会において「もうひとつのこの世」を想定することを可能とし、それが社会全体を改善していくための躍動的な力となる点で、社会運動の意義を見出すのであれば、同時に社会運動が直面する新たな矛盾や否定や葛藤は、運動にとって避けるべきものではない⁵⁷。そこでは絶えず他者との相互的な交渉を迫られ、「上手くいかない」ということの経験を手にするであろう。それでもなお「自己と世界を絶えず乗り越えること(成、樋口)」から得られる「経験」とは、本論文を踏まえると、これからの時代においてよりよい社会やゆたかな生のために重要であるにちがいない。
 本来、「経験」という言葉がもつ意味とは、「向こうに行って、調べる、試す(”experi-ence”)」であり、本質的に経験とは、個人が所有するものではない。経験とは、人びとが他者とともにその行動によって世界と関わっていく過程である⁵⁸。しかし、自分の意のままにならないもの、どうしようもないもの、じっとしているしかないものへの感受性を失い、自己の世界観の中に閉じこもっていると、そこで手に入る経験は自己を揺るがすようなものではなく、本質的に何も手に入れることができない。今日の恋人づくりや、友人関係、就職活動や大学選びといった進路選択をみてみると、あらゆるものが個人の価値観に合うか合わないかという「マッチング」的な世界観に染まっている。そこでは、できるだけ個人にとって煩わしいと思われるものや面倒くさいもの、価値観の合わないものとの遭遇を減らそうという努力がなされ、それも個人の選択によるものではなく、AIによって「最適な」提案をされるのである。ここに、私の世界を越えた他者との出会いや、想定外ばかりの現実との出会いはなく、自分を変えるような経験はない。ところが、現実の社会というものは、常に私たちの期待や予測を越えて変化する動的なものである。ここにおいて「待つ」ことができれば、そこで手にする「経験」こそが、私たちに社会の在りかを感じさせるものとなる。そのような終わりのない旅は、私たちに多くの苦難を与えるであろうが、同時にどこか「わくわく」させてもくれるに違いない。



56.SEALDs編著「SEALDs民主主義ってこれだ!」p133
57.成元哲、樋口直人(共著)「社会運動の社会学」p264
58.宇野重規「民主主義のつくり方」p42






























付記


 本稿は筆者の経験を基にネット社会運動の可能性と危うさ、それをいかに乗り越えるかということについて考察することが主眼ではありながらも、同時に新型コロナウイルスという未曽有の事態の中で日本人留学生たちがどのような困難を抱えたかについて、できる限り正確に残すことも重要視した。そのため、本稿の主眼に対して多少それた情報も入っていると思われる。しかし、それは今後留学を検討している学生ならびに、大学、奨学金機関、メディアや政府の関係者らにも、次の不測の事態に備えるための参考としてもらいたいという筆者の思いからである。ただ、本稿の中で取り上げた事例に関連する方々の中には、筆者の考察と実際の理解とが食い違っている可能性もあり、場合によっては不快な思いをさせてしまうかもしれないが、できる限り客観的に記述しようと努めた結果の、筆者の力不足としてご容赦いただきたい。
 最後に、私のポーランド留学は2019年度日本学生支援機構JASSOによる奨学金助成を受けて実現した。緊急帰国に関してはJASSOへの寄付金による「JASSO災害支援金」に支えられた。こうした経済的支援だけではなく、留学に至るまでや緊急事態が発生してからも、私たち留学生のために親身に協力くださった方々のおかげで私は大変貴重な経験をさせていただいた。
 また、当時国境が封鎖されたポーランドに留学していた私は、奨学金の支給停止や帰国指示を受けて多くの不安を抱えていたが、心配して連絡をくださった方々や現地で相談事を聞いてくれた留学先の友人たちのおかげで、この困難を一人で抱え込まずに済んだ。その後無事に帰国を果たし今日に至っているのは、私の声に反応してその拡散や署名に賛同して協力してくださった方々、運動をともにしてくれたH氏、Y氏、S氏や、私たち留学生のために各方面に働きかけてくださった方々、大学当局に抗議までしてくださった先生方、そして「柔軟な対応」を検討してくださった当時の文部科学大臣、奨学金機関、大学の関係者各位、さらに帰国後に東京まで福岡から自家用車で迎えに来てくださった方のおかげである。帰国後の日本人留学生のために交通手段や宿泊施設を提供しようとボランティアで奔走してくださった方々の存在にも救われた。この場で記して御礼申し上げたい。
 そして卒業論文執筆にあたり、インタビューにご協力くださった方々や惜しみない批判をくださった友人、ご指導くださった太田和宏先生にも御礼申し上げたい。







参考文献

1. 宇野重規「<私>時代のデモクラシー」岩波新書(2010 年)
2. 宇野重規「民主主義のつくり方」筑摩選書(2013) 
3. 富永京子「みんなの『わがまま』入門」左右社(2019) 
4. 富永京子「社会運動と若者‐日常と出来事を往還する政治‐」ナカニシヤ出版(2017) 5.山本七平「『空気』の研究」文春新書 2018(初版発行 1977) 
6.阿部勤也「『世間』とは何か」講談社現代新書(1995) 
7.鴻上尚史「『空気』と『世間』」講談社現代新書(2009) 
8.佐伯啓思 「『市民』とは誰か‐戦後民主主義を問い直す‐」PHP 新書(1997) 
9.高木竜輔(著)、大畑裕嗣、成元哲、道場親信、樋口直人(編)「社会運動の社会学」有 斐閣(2004) 
10.吉田徹「アフター・リベラル 怒りと憎悪の政治」講談社現代新書(2020) 
11.鷲田清一「『待つ』ということ」角川選書(2006) 
12.藤田省三「藤田省三セレクション」平凡社(2010) 
13.森政稔「迷走する民主主義」ちくま新書(2016) 
14.小熊英二「社会を変えるには」講談社現代新書(2012) 
15.丸山真男「日本の思想」岩波新書(1961) 
16. 丸山真男「現代政治の思想と行動」増補版 未来社(1975) 
17.梶谷真司「考えるとはどういうことか」幻冬舎新書(2018)
18.SEALDs 編著「SEALDs 民主主義ってこれだ!」大月書店(2015) 
19.Erich Fromm(著)、日高六郎(訳)「自由からの逃走」東京創元社(1951) 
20.Gustave Le Bon(著)、櫻井成夫(訳)「群集心理」講談社学術文庫(1993) 
21.David Riesman(著)、加藤秀俊(訳)「孤独な群集」みすず書房(1964) 
22.Karel van Wolferen, 井上実(訳)「いまだ人間を幸福にしない日本というシステム」 各川ソフィア文庫(2012) 
23.Zeynep Tufekci(著)、毛利嘉孝(監修)、中林敦子(訳)「ツイッターと催眠ガス」株 式会社Pヴァイン(発行)(2018)
24.Zygmunt Bauman(著)、奥井智之(訳)「コミュニティ」ちくま文庫(2017)
25.Charles Taylor 「A Secular Age」Belknap Press (2007







<表>
表1<ネット社会運動をともにした「ヨーロッパ留学生」4名について 筆者作成>
表2<新型コロナウイルスの感染拡大略史 筆者作成>は、日経アジアの「コロナウイルス感追跡世界地図」を参考にした。Coronavirus infection tracker -World Map-:Nikkei
表3<私のSNSにおけるYouTube動画の投稿に対する反応 筆者作成>
表4<オンライン署名数の伸び 筆者作成>
表5<政治家たちの発信(Twitter) 筆者作成>
表6<メディアによる取り上げ 筆者作成>
表7 <国会において「日本人留学生」への言及があったもの 筆者作成>は国会議事録にて「日本人留学生」あるいは「留学生」という言葉を検索して表としてまとめた。
表8<私たちのアクション 筆者作成>



表9<外務省 感染症危険レベルの意味> 外務省「海外安全ホームページ」より引用


表10<外務省 感染症危険レベルの発出年表(略)> 外務省「海外安全ホームページ」を参照した「JASSO及びトビタテ有志の会」によって2020年4月26日作成された年表を引用。



表11(厚生労働省 検疫強化地域)



<資料>
資料1<「帰国指示」のメール 神戸大学国際人間科学部 2020年3月17日18:52>
資料2<奨学金支給停止に関するメール 神戸大学奨学金担当者より(2020年3月18日4:17)>
資料3<ヨーロッパ留学中のトビタテ生に対する新型コロナウイルス及び感染症対策の影響に関する実態調査 2020年3月24日 H氏作成>グーグルフォームによる回答
資料4<S氏の件(オーストリアに残留)を巡るO氏とG氏のメール文(一部抜粋)>
資料5<Facebook「欧州トビタテグループ」におけるH氏による動画の紹介とそのコメント>
資料6<イギリスに留学していたS氏からのメール>
資料7<オンライン署名文(一部抜粋)「新型コロナウイルスによる海外留学奨学金の支援中断について、 奨学金支援の継続を要望します!!」>

宛先 内閣総理大臣 安倍晋三、文部科学大臣 萩生田光一
要求①留学先に残る学生への奨学金支援の継続
奨学金は、留学生の貴重な生活・学習のための費用であり、その中断は現地生活における非常に深刻な問題です。当初予定していた奨学金の継続支援をお願いします。その上で、学生が置かれている個別の状況や問題を把握に努めてください。
要求②留学先から緊急帰国した学生への奨学金支援の継続
すでに帰国した学生も、事態の急変により帰国しています。突然の航空券の手配、自宅待機が困難な場合のホテル待機(14日間)など、今回の緊急帰国では通常よりも多くの金銭的負担が生じています。また、数ヶ月前から留学を開始した学生の中には、家賃契約上の理由から実際に住んでいない現地の家賃を支払う必要がある学生もいます。そうした様々な事態に対応するため、当初予定されていた奨学金支援を緊急帰国した学生にも継続してください。まず奨学金の支援の継続をした上で、状況を把握してから奨学金の支援の中止を決定してください。


資料8<文部科学省による方針転換2020年3月24日 一部抜粋>

さらに、これまで両制度においては、派遣学生の皆さんの身の安全や健康を守る観点から、感染症危険情報レベル2以上の国・地域への留学については、奨学金の支援対象外としてきたところですが、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴い、航空便の減便・運休が多く発生していること、学修プログラムがオンラインに切り替えられ継続されている例が見られることから、①速やかな帰国が困難な場合や、②留学中に感染症危険情報レベル2以上となり、やむなく一時帰国した場合であって、帰国後もオンライン等により留学先大学の学修を継続していることが確認できる場合は、奨学金の支給を継続することとしました。詳細は、「中国、韓国、イラン、エジプト、米国、欧州各国に派遣中・派遣予定であった日本人学生の皆さんの奨学金の取扱いについて」を確認してください。

資料9<海外留学中の日本の学生に対する新型コロナウイルスに関連する感染症対策等の影響に関する実態調査報告2020年4月27日JASSO及びトビタテ受給生有志の会作成>

資料10 「海外留学中の日本の学生に対する新型コロナウイルス及び関連する感染症対策の影響に関する実態調査」における問7「その他、新型コロナウイルスに関連する感染症対策等による影響について自由に記述してください」の回答(117件)原文まま。

奨学金の対応がとても遅かったため、一時帰国をせざるを得なかった。外務省による警戒レベルの引き上げも、欧州一律ですることにより感染拡大を事前に防ぐ意図があったと思うがベネルクス、フランス、ドイツ等では既に感染拡大しており、対応が遅すぎた。その前にトビタテが、残留しても支給継続することを決めていたら安心して滞在を続けられただろう。自費で帰国して夜中にオンラインコースを受講する必要もなかった。 また、帰国後の14日間検疫を要請だけして補償はなし、公共交通機関を使えないというのはどれだけ地方生のことを考えていないのか。例えば、わたしの友達は札幌から親に来てもらってレンタカーでホテルまでつれていってもらい、その後、欧州から帰ったことを伝えると、一歩も外出させてくれない、食事の支給もなしのホテルに泊まるしかない。しかも全部自費。自分はたまたま間に合ったが、検疫要請を恐れて駆け込みをしている子を見ると政策自体に全く実効性はないように思える。また強制力のない要請しかしないため、遵守するのはコロナの恐ろしさと周りへの影響を考えられる留学生だけ。その一方で、リスクも知らずにこの時期にヨーロッパに旅行した人が広めているのも納得がいかない。そのお陰でこちらは風評被害を受けているのに。 また、自己検疫を自宅で要請することによって家族が迷惑を被っています。わたしは検疫要請対象外ですが、念のため自宅で検疫中です。これを中学生の妹が塾で言ってしまい、妹も塾を休むことを要請されました。塾の先生がリスクを取りたくないのも重々理解できます、当然です。家族に迷惑をかけてしまい、わたしは自己検疫場所を提供してくれない政府にますます憤りを感じます。

経済的な問題もそうですが、それ以前に感染拡大を防止したいのであれば、自宅待機の措置には疑問が残ります。私情で恐縮ですが、当方は自宅に基礎疾患のある者がおります。他国の例を鑑みれば、チャーター便を手配し、政府指定の空港隣接施設に強制隔離をするのがよいと思います。もちろん、Frau Merkelが既に指摘しているように、身体の拘束や移動の自由への介入が、民主主義国家において簡単に決めることのできない問題であることは重々承知しています。ですが、彼女が同時に言うように、これは民主主義国家の基盤を揺るがしうる危機でもあると思います。上記の拘束や移動制限が個人の選択を前提に、提示されるのであれば、私は快諾し、隔離を選択します。留学を志すような良い意味で意識の高い学生であれば同様の選択をする人は多いとも思います。

私の状況では、現在移動することに伴う様々なリスクや家庭状況を鑑みると、帰国は「私自身と家族、そして周りのたくさんの人たちの安全を守り、感染を広げないようにする」ためには最悪の選択だと考えている。 しかし滞在地の危険レベルが3に引き上げられたため、大学や奨学金支給元から強制帰国を迫られることが予想される。 文科省、トビタテ、大学には感染症の拡大の阻止と安全確保の観点から、現地滞在継続を容認する決定を出してほしい。 また水際対策として地方出身者は空港近くのホテルにて隔離を行うことになっているが、民間のホテルが感染症対策を適切に行なっているとは考え難く、新たな感染のホットスポット的なことになるのではと危惧している。帰国者を一般の滞在客と同様に扱うのではなく、特別な配慮・対策が必要だと思う。

海外に滞在していて思うのが、日本の感染症対策が他国と比べて不十分すぎる。私のいる国では既に政府によって飲食店、モールなどは閉鎖されている。銀行ですら窓口の営業をやってないところもある。SNSを見てても日本では外出している人がやたら多いし、全く危機感が感じられない。特に学生。新学期が延期されたから春休みが延長して遊べると勘違いしてる学生が多いのでは?と疑ってしまう。 そんな日本に帰国したところで安全ではない。予約していた6月のフライトをキャンセルしても払い戻しはない。いま帰国するなら新しくチケットを買わなきゃいけない。お金はかかるし、保険は効かない。総合的に考えて帰国の判断は難しい。私の大学は帰国することを強制しているわけでもないのでなおさら。

帰国したいのにできないという現状がつらい。 ポーランドでは、3/13に「3/15-28から国際便の中止」が公布されました。その短時間で日本への帰国は学生の立場では到底不可能である。このような即時決断は評価に値するとは思うが、個人的にはとても不便かつ悩みの種である。 また、6月に既に取っていた航空便はあるものの、大学からの要請で早期帰国が余儀なくされ、3/31に帰国の便を取った。しかし、寮の退寮届けは5日前までに行うというルールがあり、未だに3/31に国際便が復活するか否かの状態で、退寮すべきかどうかが1番の今の困り所である。 つらつらと不満や悩みを書かせたいただきました。このアンケートがうまく世の中に反映されることを願っています。

実家が山口にあり、帰国が3/21で公共交通機関が一切使えなくなってしまったので、両親が山口から東京まで往復20時間かけて車で迎えに来てくれ、なんとか帰ることが出来ました。今回の緊急帰国を受けて、「金銭的負担が大きすぎたこと」、「50代の両親に車内で感染させてしまう危険性があったこと」、「帰国前日に厚生省に電話で国内線飛行機に乗れると聞き飛行機を予約していたにも関わらず、入国後に乗れないと聞かされ親が山口から往復20時間運転してくれたこと」など、政府の対応が酷すぎるのではないかと思うことばかりでした。 最後になりますが、今回このように調査をしていただき本当にありがとうございます。このような事態が少しでも回復することを祈っています。

僕は沖縄から上京し、そこから改めて留学をしたため、東京にある家具などは全て倉庫を借りて預けていました。そのため実家から留学した人と違い、倉庫の家賃月1~2万、引越し費用数十万、沖縄に一時帰国した後東京にいく飛行機代、部屋を探すための東京でのホテル代など、留学に行くがために発生する費用が非常にたくさんありました。トビタテの支給が事実上無条件に停止されたことで元の経済的計画は大幅に狂いました。10カ月間満額もらえると仮定した上で留学可能と判断し、トビタテを選んだのに、5ヶ月で中止になったら固定費用が賄えず自己負担額は倍増しました。普段の大学生活でもたくさんお金を借りているのに、もっとお金を借りないといけなくなりそうで本当に不安です。

今回、外務省からの通達で’全世界’危険レベル2に引き上げられました。個別にみると、アルゼンチンは感染者が少ないうちから強制隔離政策を取り国際線の本数を減らすなど早めの水際対策が取られていて、この国に滞在し自宅待機をオンライン授業と平行することで安全に生活できると考えています。全世界の危険レベルが2に引き上げられたことにより奨学金(JASSO)の受給要件から除外されるのは納得いきません。また、今回の通達は、日本人の不要不急の渡航を控えるために出されたもので、すでに渡航先にいる留学生の直接の身の危険(治安など)を案ずるものではないと思います。(アルゼンチンの感染症危険レベルは現在全世界に出されてる1のままです。)

ウイルスへの措置が強化されるにつれて 留学先の大学から空港までの交通の便が悪くなり、フライトの数も減り、母国に帰る手段がなくなる恐怖を感じた。 また、帰国後に2週間の自宅待機を要請されているが、タクシー、国内線乗り継ぎを含めた公共交通機関の利用を禁止されており、地方出身者にとっては迎えの都合をつけるのが困難な状況だった。また、親に迎えに来てもらう場合、親が仕事を休むように会社から言われているケースがある。 国の感染拡大を阻止するための対策強化には賛同できるが、実際に個別のケースを想定して、実現可能性を考え、丁寧にヒアリングして帰国時に対応してほしいと感じた。

オーストリアでは毎日多くのコロナの感染者がでています。今日は952人も新たに患者が出ました。そのような中で、飛行機など長時間密接に人と一緒に過ごすことは危険だと判断しました。 最近は人種差別的な行動をする人もでてきて、先日スーパーマーケットに行ったたった30分間で三回も“コロナ”と言われました。最低限週一回の買い出し以外は外に出ていません。 このような状況で空港まで行くための交通機関も正直使いたくありません。いつ理不尽な攻撃を受けるかも分からないからです。このような理由から、私は今自分のいる国にとどまり、外にでないことで自分の身を守ろうと考えました。

・私が昨年夏から一年間の交換留学をしていた英国マンチェスター大学は、私の帰国直後に大学閉鎖となり、授業はすべてオンライン化した。対面授業に戻ることはなく、試験もオンラインで行うとのことなので、もう英国には戻らない予定。 ・21日に羽田空港に到着した際は新検疫強化体制が適用されていたため、徒歩と自転車で神奈川県の自宅まで帰宅した(運転できる人が近親者におらず自家用車もなかったため)。 ・業務スーパー奨学金は、当初の支給予定金額の範囲内(150万円)以内なら留学にかかった費用(現地滞在中の費用と往復渡航費)が全て支給されると24日にメールで通達が来た。

大学やトビタテからの緊急帰国要請に柔軟性のなさを感じている。 レベル2以上は緊急帰国しないといけない規則があるのは分かるが、それはテロや紛争、重篤な病気などにより命を落とすリスクが高いことを想定して設定されたものと考えられる。 今回のケースでは、コロナウイルスによって若者が死に至る可能性は低く、また日本でも同様に感染のリスクがあり、更には緊急帰国による感染リスクおよびウイルスの持ち込みを考慮すると必ずしも緊急帰国が最善ではないケースが存在する。 それに対する柔軟な対応が留学生および日本国民を守る上で重要かつ必要であると考えている。

私を含め、中国留学生で留学が再開になるものだと思い、寮に荷物を置いてきた学生がほとんどです。寮の荷物を送ること、取りに行くにもお金がかかってしまうので悩んでいます。また、先日JASSOの災害支援金について説明を拝見しましたが、危険度レベルが2に引き上げられた日より約1ヶ月後に帰国した方が対象であり、中国と日本の大学から帰国を促されてやむをえず帰国しましたが、その判断は間違っていたのかと思いたくなるほどの時期設定です。金銭的に余裕がないため奨学金を受給しているのにもかかわらず、支援の対象にもして頂けないことが非常に不安です。

急な奨学金のストップにより、日本より感染者の少なかったフィンランドの田舎から、ヘルシンキを通り飛行機に乗り、大阪、東京を経由して帰宅しました。リモートによる留学の継続は見込めたため、奨学金さえうまくいけばフィンランドに滞在したまま、籠城という形で留学が続けられて、帰国や待機措置、フィンランドでの残りの家賃等による金銭の負担はずっと軽減されていたことと思います。また、帰国による感染のリスクも高く、非常に不安でした。しかし、奨学金がストップされてしまったので、迷う余地がなく帰るしかなかったというのが現状です。

所属大学(東京藝術大学といいます)からの連絡で、今回のコロナウイルスの件による留学中断の際は、今まで支給された奨学金の返還は「全く必要ない」と言われました。ただ現時点で、返納の心配をしている方がほとんどなので大学によって対応が違うのでしょうか。ちなみに弊学は帰国推奨はしておりますが、帰国命令は今後も出ないと見込んでいます。このまま留学満了時まで滞在を継続する予定ですが、奨学金を止める・返納の可能性がある等のトビタテの対応に疑問がありますので今回協力させていただきました。

最初は帰ることに対するストレスであったが、帰ることを決意した後からはあらゆる便が欠航したことから、日本に無事に帰れるかを心配するストレスから眠れなくなったりするなど、精神的にとても大変な日々を過ごした。奨学金をもらっていたため、あまり金銭的には大変ではなかったが、便の相次ぐ欠航や、日本政府の分かりづらい情報によってとても振り回され、そこに対して大変不満を感じている。また、直接お別れを言いたかったにも関わらず、それが叶わなかった人がたくさんいることも重要である。

政府にも政府の考え方があるとは思いますが、個人的な意見として、日本政府の対応は如何なものかと考えています。 私は神奈川県民で帰国した際、自宅隔離ができるため大きな影響は出ないと考えられますが、地方の方々にとっては大きな問題だと思います。 もう皆さんがSNS上で投稿してくださっている通り、政府がホテル代、送迎バスなどを出すなど、対策を講じるべきだと思います。 日本は他国に比べ、政府が腐っていることが、今回のコロナウィルス問題でより鮮明になってしまったと思います。

リモートで授業を受けるにせよ、特にヨーロッパなど時差が大きい地域は日本での活動制限なしには実現し得ないため、現在のトビタテの方針である「オンライン授業をうけていれば今後も支給」という姿勢には疑問です。特に、月々支払われるものは「生活費」という枠組みであるので、現地で「生活」していない以上この方針はおかしいと思いました。大学を通して一人一人に状態を聞き、寮費などを支払わなければならない学生に対してのみ支給する形で良いのではないでしょうか

22日の朝ドイツから帰国。友人は前日に厚生労働省に電話確認していたが、22日になると突然「飛行機での移動」が新たに禁止された。着陸後、告げられて過呼吸になりかける友人をみて、改めて、自分たちにかかっていたストレスそして、落ち着ける予定だった場所がいきなり奪われる恐怖を知った。政府が少しでも想像すれば、ホテルを確保して代金をもつ、またはまとめてバスでの移動など提案できたのではないか?アフターフォローが全くないことに悲しさを覚えた。

帰れ公共交通機関は使うなといわれてもお金もたくさんないし実家は地方なのでなかなか止まる場所、車で送ってくれる方を探すのが難しかった。自分は運良くみつけられたがそれが困難な人たちはもっとたくさんいるように思う。飛行機のチケットも急に買ったので予算の3倍になってしまった 現地で様子を見ている留学生もたくさんいるので金銭的支援を切ることはやめないでほしい。日本でコロナを広める可能性を危惧して現地に留まっているひともいる。

アメリカに滞在しています。こちらではオンライン授業に対応するインフラも揃っており受講環境に不安はあまりないのですが、日本に帰ると時差・実家のネット環境の不安定さもあり、こちらでの指導教員との連絡や受講に不安があります。また、実家の両親は高齢で持病もありハイリスクなので、感染リスクの高い長距離フライトやその他を通ったり、実家に渡しが滞在することで万が一自身が感染源になったらと思うと恐怖を感じています。

奨学金機関の対応について不満点を挙げてる者もいるようだが、国からの帰国要請を無視して自らの意思で海外に残ると決めたにも関わらず奨学金が止められたことに批判するのは違うと考えている。正規生として海外に残らなければならないケースを除いて、基本的には帰国するべきだし、しっかりと国の方針に基づいて行動するべきだと思うので、それをした上で奨学金や機関の対応に云々云えばいいと思う

特に帰国後の地方出身者への対応が不十分だと感じます。学生の身で2週間の宿泊代を払うのは非常に経済的に厳しいですし、ホテル側としても感染リスクのある客を受け入れたいとは思わないはずです。政府には、周囲の感染リスクを減らしつつ、要請に従って帰国した学生の個別の事情も鑑み、滞在用のホテルを手配するなどといった適切な対応をとってほしいです。

留学を延期予定なため、就活を含めたライフプランを立て直す必要があるが、そもそも先の見通しが立たず、再開できるのかもわからない。 また、中国滞在をしており、春節のさなかにコロナウイルスが発生したため、旅行先より日本へ帰国することとなった。パソコンやカメラを含めた全ての荷物が中国にある。

・実家で自宅待機することになったため、空港まで車で私を迎えに行った親が濃厚接触者であるとして自宅待機の対象になる・ならないで勤務先と一悶着があった模様。結局、出勤停止・リモートワークの扱いで落ち着いた。 ・万一計画を再開できることがあったとしても、渡航費の捻出が厳しい。

私は3/19に帰国して日本の大学への春からの復学をやむを得ず決意したので、残りの月の奨学金をもらえないのは仕方ないかと思いますが、3/21日以降ヨーロッパから帰国した人には10万円が給付されるのに少し判断をはやくして帰国した私には給付されないのは納得がいきません。

文科省(奨学金事業主)と厚労省の連携が取れていない。経済的に不安定な状態で帰国させると、通知を無視した公共交通機関の利用によって、日本の公衆衛生を脅かしてしまう。 留学生の教育の機会云々の前に、厚労省の感染症対策を文科省が脅かしていることが問題ではないか。

レジャーのための外出やジム等の使用が禁止されてしまったものの、外の空気を吸いに散歩に出ることはできるので、思ったより快適な暮らしを続けています。また、緊急事態であるからこそ対応の仕方や留学先の街の本当の姿が露わになって、思うことがたくさんあります。

帰国者への隔離要請、公共交通機関を使用しないという要請が出ているのにも関わらず、地方出身者などで公共交通を使わずに帰宅ができない人へのホテル代などの助成がないのはおかしい。またやむをえず一時帰国する奨学生に対する往復交通費の追加助成もしてほしい。

検疫の対象にはならなかったが、地元や家族のことを考えて二週間ホテルに滞在することを決定した。出費はホテル代と食費とでとてもかさんでいる。今後政府が補償してくれるのか、してくれたとしても、自主隔離の人にも補償してくれるのか。金銭面で非常に不安。

正直、大学や政府の定めた基準、帰国要請にどれだけ意味があるか納得いっていないが、帰国要請が出ている以上なにか起きてしまった時周りに迷惑をかけてしまうので帰国を決めた。奨学金については自分の意思を第一優先にしていただき感謝している

留学が延期されてしまった。履修しようにも、もうすでに履修登録の期間が終わっており、ADD/DROPの期間では取れる授業が限られていて困る。延期になった留学がいつ再開されるか、どこの大学に行けるか分からず不安。

今懸念していること①帰国後、空港からホテルまでの移動手段②ホテルに宿泊を拒否される可能性③(日本に住む日本人には行動規制をしないのにも関わらず)海外邦人の入国拒否に関して少なからず議論されていること

学校の授業は全てオンラインでできているが、外出制限によりほぼ家にいる、友人や知り合いに会えない、万が一感染した際の医療への不安(言葉の面など)で、精神的にも普段より敏感になっていると感じる。
政府の隔離要請が酷いと感じました。 他国は帰国後の隔離場所を指定している一方、日本は一切なく、空港付近に自宅がない人にとっては金銭的に大きな負担を強いるので、これに対する対策を強く望みます。

中国へ留学していましたが、実際に国境が封鎖される前から危険な状態であったため、一時帰国のタイミングを早めました。現地には荷物が置きっぱなし、その間の寮費は現在でも支払いが発生しています。

除菌などは行っているが、とくにSNS等で各店舗の清掃の様子などをかなりアピールしているように感じた。顧客への精神的負担を減らす(来客につながるためだとは思うが)ことの大切さを感じた

帰国を予定していたが英国内の行動制限で空港までたどり着くことができるかわからず、 日本に着いても羽田に着陸すれば親が迎えにくるまで日単位で時間がかかる上宿泊場所も未定。

先日、文部科学省が《奨学金を継続する》という趣旨の発表を行なっていたが、対応が遅いと思った。 自分が帰国前にそれを知っていたら、留学先に留まっていたかもしれないから。

フランスの外出禁止等により、家賃契約の解除、日本への移動が困難な状況にある。 レベル3地域から日本ヘ移動する中での感染、日本へウイルスを持ち込む可能性が非常に高い。

国内に留まっている人との危機感のギャップを痛感します。検疫を経た帰国生とは意見が合うことが多いのですが、日本ではまだ危機感が共有されていない実感があります。

仕方がないと思うようにしているが、奨学金に関する情報を大学に尋ねても認識が異なっていたり、日に日に内容が変わり、帰国への見通しをつけることが困難だ。

予想外の出費により、今マイナスの状況。再開できたととしても、再開するためにまた、滞在の初期費用や航空券を購入することを考えると厳しいと感じている。

スロベニアのロックダウンが普通だと思ってしまうため、日本の方が安全だと言われていても普通に経済活動を優先していて帰国後も怖い(自分の精神的な問題)

外務省による感染症危険情報は国単位・州単位で出るため、安全度が「滞在都市>東京>州>米国全土」のように感じ、集合的な判断に沿うべきか悩むことがある
今回緊急帰国で発生した額や現地でのアパートの費用を継続して払わないといけないことから、帰国後も復学できずアルバイト生活をおくる必要がある。

オンライン授業のみで、グループワークのアサインメントも無くなる可能性が高く、本来得られるはずであったものが得られずに終わると感じている。

旅行中に一時帰国してしまったため、多くの必需品を留学先の寮に置いてきてしまった。北京で知り合いもおらず、郵送する目処も立っていない。

当初の予定とはだいぶ異なってしまった留学計画で、専門家にも展望が予測出来ない中で自分達が出来ることを見極め、取り組んでいこう

日本の財団等から支援を受けている学部留学者(正規留学者)の間では、今のところ奨学金に関する大きな影響はないように思います。

奨学金がもらえるのが当たり前だと思ってはいけない。国にいつも助けを求め、見込みがないと批判するようでは、まだ子供。

・ヨーロッパの措置の異常なまでの速さと、日本の政府・大学の対応の遅さの板挟みになり、正しい情報が掴めず苦労した。

日本に帰国するだけが正解ではないと思う 勝ってに、帰国指示を急にされても困る。 ケースバイケースで考えるべき。

留学生関連の対策に限って言及すると、現地にいる学生の状況を全く考慮に入ってないように思われ、不信感が募っている

帰国後の滞在場所を確保できたとしても、2週間分も払えるお金がない。

留学を継続することができなくなった。(留学自体が中止にされた。)

情報収集をしっかり行い早めに帰国していて正解だった。

コロナウイルス発生前に帰国予定だった

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家から外に出れない

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