初夏の公園
子どもが砂場で遊んでいた。
母親が近くのベンチでそれを眺めている。
子どもは山づくりに夢中になっている。
母親が少し居眠りをすると、足もとから夥しい数の蟻がよじ登って来た。
蟻はあっという間に数十万匹、数百万匹に増えた。
母親が目を覚ます間もなく、蟻は母親の全身を覆ってしまった。
母親は巨大な海ぶどうのようになった。
数分もすると、蟻の体から出された液体のようなもので母親は溶けてすっかり消えてしまった。
子どもは山をつくっていた。
私はお腹が空いたので、いつもの定食屋に行くことにした。
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