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【映画】気持ちのいいことと楽しいこと以外をするくらいなら舌噛んで死んでやるという覚悟

 ニンジャバットマンの話です。ニンジャバットマン! 私もニンジャヘッズなので(小説ニンジャスレイヤーのファン)ずっと観に行きたかったんですよ。感想ですが、ニンジャでバットマンでニンジャバットマンでした。めちゃおもしろかったという意味です。好きなシーンは「ジョーカーは悪い奴なので歴史を歪ませることなんて全く気にしないのだ!」みたいなこと言った直後にバットモービルで中世日本の町中を爆走するバットマンです。

 上映時間が90分を切っているという点でエンタメ映画としてパーフェクトですし(伊坂幸太郎も映画大好きポンポさんも90分以下の映画が最高だと言っている)、音楽もデザインもバシバシにきまっており、それらが完全にねじのぶっ壊れた蛇口からドバドバ出てくる大容量情報展開洪水と共に脳にガンガンぶち込まれ、おまけにお出しされるものが全て最高に気持ちよく楽しくかっこよくおもしろく笑えて、脳みそぐるぐるごんごん目はぐるぐるで、こんなの御馳走さまとしか言えないですよ。全編通しての「気持ちのいいことと楽しいこと以外をやるくらいなら舌を噛んで死んでやる」という覚悟の決まった爽やかな熱狂が本当にうれしくてうれしくて、終盤は思わず落涙しかけました。悪党が笑い殴られる!ヒーローが叫び殴る!爆発し……スピードがある!そして何より悪党たちの名前がどちゃくそかっちょよく紹介される! エンタメだ。エンタメがここにある。

 私はアメコミ経験はほとんどなく、かの名作ダークナイトを観たことがあるくらいなのですが問題なく楽しめました。最初、ロビンがレッドロビンの愛称だと思ってたので、ロビンが登場したところで凄く混乱したよ。あと「諸国のヴィラン大名」やら「ジョーカーのようなファーマー」やらの力強い単語と、バットモービルもバットウィングもないけど肉体があるぜ!理論には、嗚呼、ノーカラテ、ノーニンジャ……やはり全てはニンジャだった……? となりかけましたが、まあ違う作品を持ち出すのは無粋ですかね。

 本作はエンタメなので当然城とは巨大ロボットであるという絶対の真実に忠実なのですが、この誰もしもの遺伝子に刻まれているであろう日本の城がバシーンとロボットに変身するシーン、何が源流なんですかね。私の原初の記憶をたどったところ、ぱっと思いつくのはYAIBAの大阪城ですが……ああ、カクレンジャーの無敵将軍か? やはり全てはニンジャじゃないか……。