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【忍殺】スリケン整形ユニットはマジでヤバい

 原典への敬愛と創意と挑発と誠実の四つが揃ったメディアミックス作品がとても好きで、それはたとえば志水アキの漫画版「百鬼夜行シリーズ」であったり、映画版「木曜組曲」であったり、アニメ版「四畳半神話大系」であったり、小説版「ジョジョ」こと「ジョージ・ジョースター」だったりします。ニンジャスレイヤーは幸いなことにメディアミックスに恵まれており、無印グラキラキルズシヨンドラマCDいずれも四つを見事に満たした素晴らしい出来なのですが、その中でも特に好きなのがシヨンと、今回の主題であるキルズです。

 ニンジャスレイヤー殺(キルズ)の何が凄いかって、読んでいて「これは原作を越えたのではないか」と感じる瞬間が何度もあったことなんですよね。それはエピソード単位でのおもしろさであったり、今描かれているものに対する過剰なほどの作りこみであったり。おお、第一部の解像度少ない描写に対し、その隙間を埋め尽くさんとする関根先生のギミックギミックギミック描写! 「ニンジャトイのブンドド」めいた側面を持つ第一部において、目をギラギラ光らせながらトイをガチガチに魔改造するヤバい奴の香りがコマの一つ一つから匂い立つかのよう。見てくださいよこのガントレット。これほどまでにガントレットで遊び倒した人類が他にいるのか?

 ガントレットで思い出したんですけど、四巻のデザイン集読んで、私すっげえ感動したんですよね。彼の装備品について事細かな解説がされているのですが、「スリケン整形ユニット」の解説が本当にヤバい。(引用はしません。買うのだ。)スリケンについてこれだけ真剣に考えた人間がモーゼス&ボンド以外にも存在したのかと戦慄せざるをえません。シャードとして挙がっていても全く違和感のない深度です。クレイジーだぜ関根先生……。