月のよう

別になんてこたぁない。
ぷかりと浮かんでいる月なんて、
だいたいはあたりまえのように
ただすれ違って、
それだけのもの。

別になんてこたぁない。
ショウケースの中に並んだケーキ、
そりゃきっと美味しいんでしょう
視界の端横切って、
さよならさんかく。

気にしなければ気にならないのに
気になったらじわじわ気になって…

別になんてこたぁない。
あのコのことなんて、
ただうっかりとみつけてしまって
この目がとことこと
追いかけてしまうくらいのことで

知らなければよかったなんては
言わないけどさ。