「コード書きたくないなら別に書かなくてもいいんだよ」と言われたわたしの話。
「コード書きたくないなら別に書かなくてもいいんだよ」
新卒1年目のとき、当時面倒を見ていただいていた先輩から言われたことばだ。
つよつよエンジニアの頂点みたいな人だった。
当時の私は未経験で入社して、先輩に教えてもらいながらもあまりセンスがなく、覚えも悪く愛想をつかされつつあったのだと思う。
しかし、キツく感じるそのことばの意図するところは励ましであった気がする。
「コードを書くことだけがエンジニアではない。コーディングが苦手ならデザインにチャレンジしてみればいいし、セールスエンジニア的な働き方もある」
そういった文脈であった。
その後、先輩は会社を離れていき、私は残ってしまった。
残された私は先輩がいないまま半泣きでコードを書き続けた。
相変わらずの役立たずを自覚したが、それでも「自分がつくった」と言えるプロダクトをいくつか担当した。
中堅社員になっていくにつれて、方々から「レクチャしてほしい」と声がかかるようになった。
レクチャをすると、「おもしろい!」と言ってもらえた。
それがすごくうれしくて、そのうち自分が話した内容に対して、相手から「おもしろい!」と言ってもらえることがやりがいになっていった。
しかしプレゼンやレクチャをし続けるにはだんだんネタがなくなっていく。
そして気づいた。
私が提供できているのは、つよつよエンジニアである先輩から受け継いだ過去の遺産だけなんだと。
ITの世界は移り変わりが早い。
学び続けなければ、枯渇していく。
先輩はよく、業務後に外部のコミュニティの勉強会に参加していた。
だからと言ってはなんだが、私もイベントに参加するようにした。
コーディングの世界とは別に、UXにも興味が出てきたのでそちらの情報も仕入れるようになった。
苦手な分野も、あまり毛嫌いせずチャレンジするようになった。と思う。
この間、おそらく初めて、先輩からの遺産が全く絡まないネタで社内プレゼンをした。
「おもしろい!」と、言ってもらえた。
やっぱり、すごく嬉しかった。
***
エンジニアと名乗るようになって、10年以上経った。
残念だけど、決してつよつよじゃない。
コードを書かない日もたくさんある。
でも微力ながらも学びは続けて、学びをアウトプットして、それに対して誰かが喜んでくれることを嬉しいと思う。
たぶん、これからも肩書をエンジニアと名乗ると思う。
定期的に読みたいスライド
エンジニアというキャリアに関して道を見失ってしまいそうなときに定期的に読みたいスライド。
将来、エンジニアではない道を歩むことになるかもしれない。コードを書かなくなるかもしれない。
でもきっと、今いるその場所でエンジニアリングを続けていこう。
追伸
この記事は「#エンジニアでよかった」参加記事だが、正直エンジニアでよかったと思うときなんて、黒い画面開いてカタカタカタ・・・ッターーーーンして動かなかったコードが動くようになったあの瞬間に尽きる。
あのヤッター!という気持ちこそ至高だ。
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