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僕は今、台北市内の小学校夜間部3年生。

 僕は今、小学校夜間部の3年生だ。担任の先生は夜間部の教師歴が10年以上あるそうだ。先生は日中は同じ小学校で一般小学生の先生をしている。今、3年前に夜間部で教えていて、今は来なくなったイタリア人の息子が昼の一般クラスにいて、自分が担任をしていると言っていた。偶然親子に教えたことになる。2、3年前、僕のクラスにはイタリア人、フィリピン人、ネパール人、チベット人、韓国人、中国人もいた。今は台湾人女性が7人、ベトナム人女性が3人、日本人の僕1人だけだ。台湾人女性は全員60才後半以上の世代で、中南部の出身者だ。一番年上は中国山東省生まれで、韓国で育った女性だ。 
 
 先生の話によると中南部出身の年配女性は子供の頃、小学校ヘ行かせてもらえなかった人が多く、夜間部に来るまでは自分の名前も書けない人さえいるそうだ。3年前は若い中国人女性が3人来ていたので、不思議に思ったが、やはり地方出身(福州人)で、子供の頃に教育を受ける機会がなかったらしい。

 僕は26年前に台北生活を始めた当初は台湾人家庭にホームステイだった。その家のお母さんは中国語が話せなかった。だから家庭内は台湾語オンリーだった。おかげで僕は中国語はなかなか進歩しなかったが、台湾語は確実に進歩した。実は僕の義母も文盲で、中国語も複雑な話はできないし、聞いてもあまり理解できない。義母も小学校へ行かなかったからだ。妻が義母と話をする時は台湾語だけで話す。

 僕が夜間学校へ行き出したきっかけは帰化申請を出す為の条件に台湾の教育機関で74時間以上の授業を受ける事というのがあるからだ。でも74時間だけ受けて、学校を辞めるのは先生に何か申し訳なくて、通い続けて3年目だ。
 フィリピン人たちは74時間受講した証明書を受け取ったとたんに来なくなった。現在、外国人が少ないのはコロナの影響もあるが、結局、中国語会話を教える所ではなく、漢字の読み書きしか教えない所だからだ。外国人は漢字を覚えるよりも中国語会話を練習したいんだと思う。 
 それに先生は台湾人年配者に気を使って台湾語で話すことがかなり多い。先生の話がわからないから来なくなったという外国人も多いと思う。僕にとっては先生や年配の同級生に台湾語を教えてもらえるから好都合だけど…。それに授業料がタダというのが嬉しい。タダで教科書やノートがたくさんもらえる。今年は通学カバンまでもらえた。

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