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客家語は聞いたことがないという台湾に住む日本人は多いけれど…

 数日前、バスに乗っていたら60代半ばぐらいから70代半ばぐらいの世代のご婦人6人が乗ってきた。ずっと中国語で話していたけれど、ホーロー系台湾人の年配者が話すような一般的な台湾訛とは違う。ちゃんと巻舌音を使っている。かと言って中国の北京語には聞こえない。もしかしたら客家人の人達かなと想像していたら、そのうち、やはり海陸話系の台湾客家語と中国語のチャンポンで話し出した。

 台湾客家語の海陸方言には少し舌を巻くように発音する音があるから、中国語を話す時も舌巻き音の発音の部分はちゃんと舌を巻く人が多いのかもしれない。

 台湾に長く住んでいる日本人でも客家語は聞いたことがないと言う人が多いが、僕は日常、結構よく耳にする。多くの在台湾日本人は中国語の学習しかしていないから、中国語以外の台湾本土言語である台湾語や客家語などが中国語と混ぜて話されても、どの部分が台湾語なのか、客家語なのか分別できないから、実際には聞いているのだろうけれど、気がつかなかったということが多いのだと思う。そもそも中国語も完全に聞き取れるわけではないので、聞いていてよくわからなかった部分は自分が知らない中国語表現だと思っているのだろう。そのわからなかった部分は実は台湾語かもしれないし、客家語かもしれない。

 僕は台北生活を始めた当初から何故か客家人や客家語を話せる人と知り合いになることが多くて、以前から客家語をよく耳にしていた。全社員の60%以上が客家人という会社で日本語を数年間教えていたこともあるし、客家語が話せる女性と一緒に暮らしたことも二度ある。

 長年交流のある客家人の知人に初めて妻を紹介した時、知人は僕の妻に客家語で話し始めてしまい、妻は全く客家語がわからないので戸惑ってしまった。知人は僕が知人に会うと、いつも客家語の話題で話をするから、てっきり僕の妻が客家人だから、客家語に興味があるんだと思っていたようだ。


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