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台湾語は日本人に何故嫌われる?

Twitterの方で台湾語を話す台湾人は「クズ」「土人」と表現したり、台湾語を重要視する日本人は台湾語学習を強要する「ナチ」「エスノセントリズム」だとか書いた日本人達がいるらしくて、台湾語を学習中の日本人達ともめて炎上しているらしい。この騒ぎの話題を聞いての印象だが、台湾語を毛嫌いする在台湾日本人が本当に多いんだなということと、この騒ぎを利用して台湾に深く関わる日本人や台湾語を擁護する日本人を悪者扱いする風潮を作ろうと企んでいる人達が増えてきたように思う。台湾に深く関わっている日本人へのやっかみだけでなく、政治対立や日本人の台湾離れを企んでいる連中も関わっていそうだなとも感じた。

「台湾人と結婚している日本人は台湾語を身につけた方がいいと思う」と書いただけで、言語を押し付ける「ナチ」「エスノセントリズム」だと批判し出した人もいたらしい。

 残念ながら僕はその実際のやり取りを見ることはできなくて、文句を言われたり、攻撃された人の意見だけを読むことができた。その攻撃対象となったらしい人のフォローをするようなことを僕が書き込むと、これに対しての皮肉めいたことや反論めいたことを書いている人の存在は確認できた。また僕に対して同意とも反対とも言えないような、しかし、やはりちょっと否定的にも読み取れるような内容の返事を僕に直接送ってきた人もいた。

 話は少し飛ぶが、僕は台灣人友人に20数年間日本語を教え続けている。彼女は知り合った当初からすでに日本人並みに日本語が話せる人だった。訓練すれば同時通訳もできるんだろうなというレベルだった。でも、もっと日本人が話すような自然な日本語を身に付けたいという理由で僕の生徒さんを20数年間ずっと続けてくれている。

 彼女とは初めて会った時から現在までずっと日本語で話しているので、実は彼女は僕の中国語や台湾語の実際のレベルはほとんど知らない。ちょうど昨晩授業をした時に「甘える」「甘やかす」という日本語の使い方について質問されたので、例文で「僕は台湾人の知り合い達に甘えて中国語を未だにちゃんと身につけていない」という文を提示した。そうしたら、彼女に「いやいや、30年近く台湾に住んでいるから中国語も台湾語も台湾人と同じように話せるんでしょ?」と言われてしまった。

 そこで僕は実は台湾に長く住む日本人で本当に高度な中国語を身につけている人って数える程しかいないし、台湾語まで話せる人に関してはほとんどいないと思うと言った。また、中国語も台湾語もまだまだレベルが低く、中途半端な僕が言うのもなんだけど、台湾を紹介する記事を書くジャーナリスト、記者、ライターさん達も中国語能力はたいして高くないし、ほとんどできない人だっているし、台湾語が話せる人は2、3人ぐらいしかいないと思う。と言ったら、信じられない!本当なんですか?と驚かれてしまった。

 台湾を紹介する記事を書くには台湾語の知識は必要不可欠だと思うのだが、皆んなどうして身につけようとしないのか?僕は30年前に東京で台湾語がすごく話せる日本人3人と知り合い、よく会うようになった。僕が台湾語学習を始めた理由はいろいろあるが、この彼ら3人の影響もある。

 その後、僕は台湾へ移住し、27年経つが、台湾へ移住して数年後ぐらいから台湾の民主化がどんどん加速し、日本人の台湾観光もブームになっていった。日本人向けの台湾語学習の教科書や参考書がいろいろ出版され始めた。あと5年や6年もすれば台湾語が話せる日本人が増えていくんだろうなと思っていた。ところが、今現在でも僕の周りで、台湾語がすごく話せるという日本人の友人、知人は数人しかいない。

 この30年近くの間、台湾語学習教材は日本でも台湾でも増えているし、学習方法も充実してきている。台湾には主に台湾語だけの番組を専門に放映する台湾語テレビ局もできた。それなのに日本人の台湾語に関する状況はほとんど何も変わっていない気がする。

しかし、本当に何故、台湾語はこれほどまでに在台湾日本人に嫌われたり、避けられたり、馬鹿にされる対象になるのだろうか?

 台湾人でも日本人でもいいから、誰か言語学者や社会学者さんたちにこのテーマを調査、研究して、論文にまとめてもらいたいものだ!


 

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