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台灣の宗教行事に使う餅菓子

乾仔(牽仔)=khiân-á (khian-á)
牽仔粿(khian-á-kóe)とも呼ばれる。道教の最高神=天公(thinn-kong)や財をもたらす神様を拝む時に使用することが多い。小麦粉または餅米で作られ、側面や上面に古代のお金を表す模様が型押しされる。財産が増えることを象徴している。ゼリーで代用した現代版乾仔(牽仔)もある。
 天公(thinn-kong)=道教の最高神の誕生日や16才(成人)のお祝い、結婚のお祝いで天公 (thinn-kong)を拝む時や三官大帝(sam-koan-tāi-tè:天界、地界、水界の神)など地位の高い神々の誕生日に用いられる。

乾仔(牽仔)=khiân-á (khian-á)/牽仔粿(khian-á-kóe)

 紅龜粿(âng-ku-kóe)は、1日水に漬けておいた餅米に水を少量加えて、臼で挽いて液体にしたものに圧力をかけ、水分を抜いて粿粞(kóe-chhè)と呼ばれる塊を作り、この粿粞(kóe-chhè)で外側の皮部分を作り、小豆や緑豆、ピーナツなどの餡を包んである。外観は平たい楕円形もしくは円形で、赤く着色され、上面には亀の甲羅模様が刻印されている。

 紅龜粿(âng-ku-kóe)は大小様々な神様の誕生日の時の供物としてよく見かける。主に天公(thiⁿ-kong:道教の最高神)や三官大帝(sam-koan-tāi-tè:天界、地界、水界の神)など地位の高い神々に対しての供物として使われる。

紅龜粿(âng-ku-kóe)

 丁仔粿(teng-á-kóe)は農暦の4月5日、清明節(chheng-bêng-chiat)の供物として使われる。男子が生まれることや財産が増えることを願う。形状が男性生殖器に似ていることから「 膦鳥(lān-chiáu)粿」という俗称もある。一種の生殖器崇拝であろう。糯米で作られる乾仔(牽仔)=khiân-á (khian-á)/牽仔粿(khian-á-kóe)などと同様に弓蕉油(kin-chio-iû=バナナオイル)が使われており、強烈な甘さと強烈な果物の香りがする。

丁仔粿(teng-á-kóe)

 鳳片龜(hōng-phiàn-ku)も様々な宗教行事に使う亀に模して作られた餅菓子。形は紅龜粿(âng-ku-kóe)と呼ばれる餅菓子と同じだが、鳳片龜(hōng-phiàn-ku)は餅米の粉を油を使わず鍋で煎り、固まったものを磨り潰して粉にしたもの=糕仔粉(ko-á-hún)が原料。弓蕉油(keng-chio-iû=バナナオイル/バナナエッセンス)が加えられるので、強烈な果物の香り(塗料の溶剤の臭いとも言える)がする。中に小豆餡が入れられている。またかなりの量の砂糖やシロップが加えられているので、異常に甘い。元々は長期保存が目的だったのだろう。

 鳳片龜(hōng-phiàn-ku)

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