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続・「食べない子は、どうしたって食べない」。

このところ、ニンタの食欲のなさが尋常でない。

見た目は元気そうだし、おやつなどはパクパク食べる。しかし食事どきになると、目が死んだようになり、仕方なく口に運ぶと、モグモグと口を動かしてはいるが、いつまでたっても口の中のブロッコリーがなくならない。

どうした。しっかりしろ。

私は、ニンタの病名がわかって、食事療法を始めたばかりの頃を思い出していた。

食べない子は、どうしたって食べない。それでも私は。

ゆっくりでも食べればなんとか付き合うこともできるが、いつまでも飴玉のようにブロッコリーを転がしていては、次の一口を運び入れることもできない。

降参だ。

私は、あのときみたいに無理をしたくない。ニンタにもさせたくない。

といって、食事療法を中断することもできない。

ニンタの好物はお刺身と肉類。それでは、と、夫が奮発してお刺身をたくさん買ってきたが、仕方なさそうに何切れか食べて、あとはまた死んだ目をして手を止めた。低糖質のパンも好んで食べるものの一つだったが、それもつまらなそうにチビチビと食べている。

考えられることはいくつかある。

ニンタは、歯の生え代わりの時期なので、前歯がスカスカだ。少ない歯では食べづらいのかもしれない。

いや、暑さのせいかもしれない。

いや、新しい学校生活で疲れすぎて、食べられないのかもしれない。

いや、お刺身もお肉も低糖質パンも、好物だからと頻繁に出しすぎて、飽きたのかもしれない。

全部正解で、それらの理由が重なって食べられないのかもしれない。

困った。

病院で相談すると、低血糖と野菜不足を補うために、糖質の低い野菜ジュースを少し飲むのはどうかと言われた(普通の野菜ジュースだと、今度は糖質が高すぎるので飲めない)。カロリー不足は、引き続き、MCTオイルで補っていく方法で良い、と。

野菜ジュースとオイルで命をつないでいくことになったニンタ。

そういう時期なんだな、と諦めるしかない。こどもって、最近お菓子しか食べなくない!?みたいな時期が、あるんだと思う。よく聞く話だ。

それは何か理由があって、こどもだから言語化できないんだろうけど。

いや、大人だって、「なんか食欲ないなー、なんでだろ」って、説明できないときがあるし。

とにかく、今は死なないように見守る時期、と、こちらも諦めることにした。

幸い、ケトンはしっかり出ているとのこと。そりゃそうだ、低糖質の食事なのに、残してばかりで更に糖質量は下がる。オイルだけはしっかり摂取しているんだから、ケトンは出るだろう。

あとは、親の気持ちの問題。どうせ食べないだろうな、と思って食事を用意することの、なんと虚しいことよ。

こどもが食べないと、親の元気がなくなる。こどもの生命維持のために、そういうプログラミングがされているんだろうか。ジャンクフードでもなんでも、おいしそうにパクパク食べていると、それだけでほっとする。

その上、食事療法をしているニンタは、もともとが偏ったメニュー構成なのだから、それを更に食べ残せば、カロリー不足、ビタミン不足、低血糖、尿酸値の上昇、便秘など、いろんな心配があるので尚更心配だ。

でも、どうしたって食べないわけだから、親はグッタリしながら付き合っていくしかないんでしょう。

でも、あんまり食べない時期が長続きすると、親の元気も限りがあって、こどもに食事を与えられないくらい元気がなくなってしまう可能性がありますよ、このプログラミングを作った神さまだか、どなたか。

と、誰かを脅してみるようなことを考えてみるが、どんなに元気がなくても、やはり食事だけはなんとか用意しているので、私は絶命するまで、こどもに食事をあたえ続けるようにプログラミングされているんだと思う。

食事療法が親にとってキツいのも、このプログラミングのせいだ。ニンタに好きなものを食べさせてやれない時や、人と違うものを悲しそうに食べている時、或いは食べるのを拒否する場面に出くわすと、私の体が反射的に苦しむようにできている。

一番つらいのは本人だということはわかっている。でも、このプログラミングは保護者だけに備わっていると思われるので、苦しみの種類が違うんだろうな、とも思う。

通常営業の食事療法でも、痛みを抱えているわけだから、食べない時期くらいは、なんとか回避する方法を考えて、無理をしないようにしていきたい。過去の反省もいかして。

ちなみに、今日はおからパウダーで作ったチキンナゲットだった。ひさしぶりに作ったので、「ハンバーグだ!おいしい!」という感想をいただけた。ナゲットのつもりだったのだけど、それはまあよい。

食べない食べないと言いながら、たまにはこういう日もあるので、腐らずにプログラミング通りに動いていこうと思う。

(なるべく)食べて。そして(必ず)生きて。

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