見出し画像

小惑星のわたしたち

 ぴーちゃんがいなくなった。

ぴーちゃんというのは私の自転車の泥除けで燦然と輝く幸せの青い背景の鳥のことである。以下ぴーちゃん初登場時のnoteのリンクを添付する。

愛らしいぴーちゃんが、自転車ごと消えたのは8月のこと。気が気でない数週間を過ごしてひと月ほどたったある日、ポストに葉書が届いた。曰く、ぴーちゃんは我々が預かっており、返して欲しくば手切れ金を用意して以下の場所まで来られたしとのこと。つまり、ぴーちゃんは撤収され 

 そんなわけで、蒸し暑い水曜日にぴーちゃんを救う旅に出た。

駅からバスに揺られながら住んでいる町の見たこともない景色を眺める。やがてたどり着いた町外れの

小屋の中ではおじさんが二人、二人が二人とも居眠りをしていた。「すいませーん…」とか細い声をかけるも二人は目覚めず、もう一度先ほどより若干ボリュームを上げたしかし依然として弱々しい声で呼ばうも、またもやおじさんたちは目覚めず。仕方なく窓ガラスをコンコンしながら3度目の声かけを試み、二人は目を覚ました。
小屋から出てきた一人のおじさんと自転車置き場からぴーちゃんを探し出す。

なぜなら私は膝丈のワンピース(黄色と茶色とくすんだ水色の細いストライプで、かなりクラシカルな形をしている)を着ていた さらには鮮やかなブルーグリーンのブルゾン 

膝丈のワンピースでチャリ爆漕ぎ 久しぶりに乗ったのでふらふらする。あと普通にサドルが高え。

アステロイドシティ ウェス・アンダーソン作品はディズニープラス


人生の目的とか、もっと言えば世界がなぜ存在するのか誰もわからない。神がある意図を持って動かしていると信じたい。そんな映画だった。知られざる神の思惑に従って動く私たち、それぞれの惑星の中で精密な物語が依られていると思うと愛しくて自転車を力強く漕ぎながら微笑んだ。もしかしたら今誰かの夢の中かもしれないから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?