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【源実朝】鎌倉情趣に添えたい、秀歌4選(現代語訳付き)

こんばんはtagaです。
本日は源実朝の秀歌4選を感想交えてお伝えしてまいります!


①この寝ぬる朝明の風にかをるなり軒端の梅の春の初花

寝て(目を覚ますと)、この明け方の風に(のって)、軒端の梅の初花のかおりが漂ってくる(=最高の春の訪れだ!笑)


14歳の頃によんだとは思えない情緒ですね!
春、日本庭園を歩きながら口ずさみたいものです。

②濡れて折る袖の月影ふけにけり籬の菊の花の上の露

(籬に植えた菊を折り取った袖に、花の上の露が滴る。その袖に映る月の光から、夜更けであることを感じられる)


皆さまどの単語に惹かれましたか?
主役が勢揃いですよね。
私は露と月光の情趣にも既にお腹いっぱいなのに、高貴な身分を表す、美しい菊の花が…。
この一首に浸るだけでも幻想的な夜を満喫そうですね。

③宮柱ふとしき立てて万代に今ぞ栄えむ鎌倉の里

鶴岡の宮に立派な宮柱を立て、(神をお守りし)
今から限りなく続くこの世の中で、鎌倉の里は栄え続けていくことだろう。

鶴岡八幡宮を歩きながら、こんな詩を思い浮かべただけで、源実朝の為政者の意識がほんのり乗り移った感覚を味わえそうですね。
目で見て歴史を感じつつ、頭で浮かべて味わう、
鎌倉散策、ふとした瞬間に是非皆さまも体験してみてはいかがでしょうか。

④大海の磯もとどろに寄する波われてくだけてさけてちるかも

大海の荒磯を轟かすように寄せてくる大波。
岩にあたっては割れて、砕けて、裂けて、散る。


この唄は、鎌倉文学館にも展示されている源実朝の代表歌のひとつ。
場所は、相模湾の三浦半島沿という説が有力です。風景を言葉にする難易度は心情表記より難しいですが、見事に唄に表せております。
波が砕け散る、力強い光景が目に浮かびますよね。
とりわけ「割れて砕けて裂けて散る」といいう表現は、並の形の一瞬一瞬が見事に脳内に再生されますよね。
まさしく実朝しか描けない、秀歌そのものではないでしょうか。

いかがでしたでしょうか、源実朝の秀歌4選を現代語訳を交えてお伝えして参りましたが、皆様の鎌倉散策の楽しみが、少しでも増えたのであれば幸いです。最後までご視聴いただきありがとうございました。

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